内容説明
本稿を執筆するとき、1900首余りの『空華集』から、どの作品を撰び出して評釈しようかと思案した。そして、文学的鑑賞眼の鈍い筆者は、義堂周信の文学的精神史を探ることに重点を置こうと方針を定めたのである。
目次
第1章 在京修行時代(無得励維那に酬ゆ;李杜の詩を読み、戯れに空谷応侍者に酬ゆ ほか)
第2章 関東の法戦・詩戦(常州の勝楽に方丈を剏建す;常州の旅館にて、浄智の不聞和尚の韻を用い、十首をば鹿苑の諸公の贈らるるに寄謝す ほか)
第3章 鎌倉の師家時代(仏成道焼香の偈;選書記の赤松山に帰るを送る并びに叙 ほか)
第4章 京洛の詩筵(二条相国の命を奉じ将軍の扇に題す 二首;准后大相公に奉呈す ほか)