内容説明
「限界のある読み書き能力」と表記改革の試み。「押しつけられた表記改革」という神話は、なぜ生まれたのか。忘れ去られている「国語国字問題」をめぐる活発な日本の社会風潮と、とくに敗戦後の表記改革の試みの現実を、GHQ史料などの緻密な調査によって明らかにするとともに、当時のローマ字教育実験の実態に迫る。
目次
1章 夢想者か現実家か―はじめに
2章 終戦以前の読み書き能力
3章 日本人自身による表記法改革
4章 連合国軍最高司令部の介入
5章 ローマ字教育実験
6章 日本の“識字率”は世界一か?―むすび
著者等紹介
アンガー,J.マーシャル[アンガー,J.マーシャル][Unger,J.Marshall]
1947年米国オハイオ州クリーブランド市生まれ。現在、オハイオ州立大学東アジア言語文学科学科長・教授。エール大学で言語学の博士号を取得(専門は歴史的言語学)。ニュージーランドのカンタベリー大学で教鞭を執ったあと、ハワイ大学へ移る。のち、同大学およびメリーランド大学で学科長(教授)を務め、97年8月より現職。日本語教育・日本語の起源の研究、先端的教育用コンピュータPLATOの日本語機能開発などにも従事
奥村睦世[オクムラムツヨ]
1944年生まれ。1967年大阪学芸大学英語英文学科卒業。日本で航空会社勤務の後、ニュージーランドの高校・大学で日本語を教える。1977年から7年間、ハワイ大学夜間成人部日本語講師。現在、通訳・翻訳のほか、ジャパン・インターカルチュラル・コンサルティング(シカゴ)のセミナー講師として、特に中西部の日系企業で異文化セミナーを行っている
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