出版社内容情報
フーコーが問い続けたこととは何だったのか。
内容説明
その独創性ゆえに多くの批判にさらされながらも、かえって輝きをますフーコーの思想。フーコーに向けられたさまざまな批判を手がかりに、まったく古びることのない思想の新たな「地層」を掘りおこす。
目次
第1章 考古学という方法
第2章 系譜学への移行
第3章 セクシュアリテ
第4章 統治性研究
第5章 啓蒙と自由
第6章 権力技法と主体
第7章 倫理とエロス
著者等紹介
柳内隆[ヤナギウチタカシ]
1950年大阪に生まれる。関西学院大学法学部卒業。関西学院大学大学院法学研究科博士課程修了。現在、近畿大学法学部助教授(専攻/政治思想史)
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感想・レビュー
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Mealla0v0
3
2000年のタイミングで書かれたことを踏まえると、当時としては講義録が公刊されて新たなフーコー像が描かれつつあるなかで、非常に統括的なフーコー論である本書が日本語圏で著された意義は大きかったのかもしれない。基本的には、ドレイファス&ラビノウの本に沿った流れで議論が展開されているが、内容としては、考古学・系譜学・倫理学というフーコーの方法論の検討、フーコーの権力論をアルチュセールの議論の側からの検討、ハーバーマスとの論争への着目が挙げられる。最晩年の主体の倫理学はハーバーマスへの応答という指摘は重要。2020/06/10
センケイ (線形)
0
難しい印象だったフーコーとは思えぬ読みやすさで驚かされる。日本語の言い回しが理解しやすく、間髪入れず具体例が入り、しかも少し進む毎にまとめがあるからだろうか。著者の方の解釈で行間が補われるのも嬉しい。局所的な権力には意図があるが、権力全体のネットワークは人の意思から離れている、とする階層的な捉え方は、個人的には自己組織化のようにも感じられて面白い。ただ、勿論この本のせいではないが、権力や自己などの主要ワードが様々な項目にばらけており、正確には捉えにくい。それこそ、自分の「解釈」で補うべきなのかもしれない。2016/08/23
枕流だった人
0
船橋市立図書館