在郷軍人会―良兵良民から赤紙・玉砕へ

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  • サイズ B6判/ページ数 344p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000230308
  • NDC分類 390.6
  • Cコード C0021

内容説明

「国体明徴運動」を主導し、戦前のファシズム体制を代表する組織としてのイメージが強い在郷軍人会。しかし、その実態はあまり知られていない。総力戦にそなえた社会の軍事的再編をも射程に入れた陸軍による組織運営は、地域秩序の中で生きる民衆でもある在郷軍人たちを前にしてどこまで貫徹されたのだろうか。軍隊的価値観と民衆的価値観との間で揺れ動き続けた在郷軍人会の歴史を、日露戦争後の発足からアジア・太平洋戦争敗戦による解体までを通して描く。

目次

はじめに―在郷軍人は軍服を着た市民なのか
在郷軍人会の出発―日露戦後・在郷軍人会の位相
キーワードとしての良兵良民―軍隊的価値観と農村的価値観の相剋
市民社会と向き合う―大正デモクラシーへの対応
軍の危機感から生まれる国家主義
規約改正から青年訓練へ―総力戦の新体制
満州事変―蠢く銃後
国体明徴へ―非常時に運動する在郷軍人会
日中戦争―赤紙の祭りから戦線拡大へ
在郷軍人は玉砕要員だったのか―アジア・太平洋戦争
在郷軍人会とは何だったのか

著者等紹介

藤井忠俊[フジイタダトシ]
1931年山口県生まれ。「現代史の会」主宰。専攻は日本近現代史・民衆史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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なのは

1
ドイツの遺族救済のための在郷軍人会と、動員システムかつ軍の下請けでしかない日本の在郷軍人会。中曽根首相『徴兵制にしないと日本の自衛隊は強くならない』彼はこの本を読むべき。志願兵制こそが軍隊の強さ・規律の源だと実感。一兵卒の命を高コストにすれば軍は無謀な作戦【インパール】はできないし、兵士を無駄に磨り潰すドクトリン【玉砕】も考えられなかっただろう。軍隊の士気は軍が兵卒を大事にするか。日本陸海軍は失敗の好例2018/11/21

onepei

1
あのころを描いた物語によく登場する団体。ずっとどんな集団か気になってました。2010/01/22

ホンドテン

0
図書館で、伊藤(66/19)で召集待機の兵=一般人を意識したため。存続僅か35年の組織の変遷。苦役で鼻つまみ、PTSD的素行不良への対処のため良兵良民善導努力と徒労、5・15以後の政治介入国粋化、事変後の陸軍下請け組織化=役場や国防婦人会にお株は取られっぱなし。対して簡閲もバッくれ軍服も着ない、米騒動など争議や恩給増額運動にも参加する民衆像が浮かび上がる。日露戦から得た発案者田中義一の総力戦戦訓は達成されず、共済組合型を試行した海軍も影が薄い。地方分会の資料収集を鑑みると大変な労作。2023/09/30

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