書物誕生 あたらしい古典入門
『史記』と『漢書』―中国文化のバロメーター

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  • サイズ B6判/ページ数 211p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784000282833
  • NDC分類 222.03
  • Cコード C0310

内容説明

後世に大きな影響を与えた点で、いずれもひけをとらない『史記』と『漢書』。しかし、どちらをより優れた歴史書とみなすかは、時によって変化してきた。文体も、儒教との距離のとり方も、そして作者の生き方も対照的な二書を、それぞれの時代の人々がどう読み、どう評価したか―その読書史を探っていくと、逆にその時代の様相や歴史観、文学観が照らし出されてくる。本書では、歴史家の使命が語られる『史記』列伝冒頭の伯夷列伝や、『漢書』の風変わりな歴史人物ランキング「古今人表」など、原典に即して司馬遷や班固の思考を読み解きながら、『史記』と『漢書』の二〇〇〇年の旅路を読者とともに散策する。

目次

第1部 書物の旅路―『史記』と『漢書』の二〇〇〇年(正史としての『史記』『漢書』;『史記』と『漢書』のちがい;司馬遷の生涯;班固の生涯;『史記』と『漢書』の読書史―『漢書』の時代;中唐における『史記』ルネッサンス;印刷時代の『史記』と『漢書』;『史記評林』と『漢書評林』;結び―東西の両横綱としての『史記』と『漢書』)
第2部 作品世界を読む―文字の背後にあるもの(歴史家の弁明―『史記』「伯夷列伝」を読む;劉邦は「逃げた」のか、「跳んだ」のか;『漢書』「古今人表」)

著者等紹介

大木康[オオキヤスシ]
1959年、横浜生まれ。1986年、東京大学大学院人文科学研究科博士課程(中国語中国文学専修課程)単位取得退学。文学博士。現在、東京大学東洋文化研究所教授。中国文学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

KAZOO

15
史記と漢書を比較しつつ、どのように評価されてきたかをわかりやすく説いておられます。私も史記はコミックや文庫などで結構読んできたのでイメージはすぐわくのですが、漢書のほうは漢文の教科書に載っているものしかお目にかかったものはありません。中国では歴史書としては漢書のほうがなじみがあるのでしょう。一度読んでみたいと思います。2014/09/02

沖縄電鉄社長

1
中国の歴史書の祖である『史記』と、その後のスタンダードとなった『漢書』。両書の比較から日本を含めた後代に読み継がれていく様まで書かれている。2017/09/18

パパ

1
漢文の授業で勉強した、鴻門の会も、四面楚歌でも史記にも漢書にもあるけど、史記の方にしかなじみがない。司馬遼太郎だって、司馬遷から名前を頂戴しているわけで、概して日本人は史記好きと言える。対して、中国では伝統的に漢書が重んじられてきた。班固の文章が四六駢儷体という六朝時代に流行った文体に近かったこと、断代史という形式も後世に受け継がれたことなどが理由として挙げられている。史記と漢書の違いから歴史の解釈を紐解くのも面白そうだ。2012/05/01

からくり

1
なかなかおもしろい。高校の頃の漢文の知識が役に立った。2010/03/06

未来

0
発表用に流し読み。わかりやすく、なかなか興味深い内容。2010/12/12

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