出版社内容情報
『歴代名画記』は「画史」の嚆矢として中国の絵画論・芸術論に大きな影響を与え、日本にも受容された。絵の作者の人物評価と作品評価の関係、老荘と儒教に共通する「気」の思想と筆遣いの極意など、隠れた名著の魅力を関連図版とともに読み解く。
内容説明
中国の絵画は、雪舟など日本の水墨画の源流となった淡白な山水画だけではないし、その芸術論は、老荘思想を基礎としたものだけではない。本当はもっと複雑多彩であり、実に私たちはそうした中国の絵画論、芸術論から多大な影響を受けているのだ。『歴代名画記』、この隠れた名著は、「画史」の嚆矢として中国の絵画論・芸術論を代表する。名人上手に奇人傑物の画人伝、作者の人物評価と作品評価の関係、儒教にも老荘にも共通する「気」の思想と用筆論の真髄など、日本にも受容されたこの書物の魅力と思想史的背景を、豊富な関連図版とともにいきいきと読み解く。
目次
第1部 書物の旅路―中国の芸術観(『歴代名画記』の背景にあるもの;執筆の動機―『歴代名画記』と『法書要録』;コレクター・書家・画家としての張彦遠;構成にこめられた意図;『歴代名画記』の受容)
第2部 作品世界を読む―「画の六法」と画人伝(絵画の源流;絵画の興廃;気韻生動―画の六法;山水画と樹石画;気の用筆論;スタイル・模写・鑑賞;天然と人工―画人伝より(一)
文人と絵画―画人伝より(二))
著者等紹介
宇佐美文理[ウサミブンリ]
1959年、愛知県生まれ。1989年、京都大学大学院文学研究科博士後期課程研究指導認定。信州大学、京都大学人文科学研究所を経て、京都大学大学院文学研究科准教授、中国哲学史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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KAZOO
umeko
Akira Nagata
青縁眼鏡
日暮里の首領様