内容説明
3歳ともなると子どもは一見会話らしいやりとりができる。だが、ことばで自分の意図をきちんと伝え、ことばから相手の意図を正しく理解できるようになるのは、まだ何年も先のこと。それは大人にとっても簡単ではなく誰でも失敗したことがあるはずだ。発達途上の子どものことばを手がかりに伝わる理由・伝わらない理由を探る。
目次
第1章 3歳児は大人の鏡(天才かと思えば…;自信たっぷりの他人を信頼する;あいまいさには無頓着)
第2章 うそや皮肉は難しい(子どもにとってのうそ;子どもにとっての皮肉;他人を理解する心はどう育つ?;ことばで心を伝えること、ことばから心を理解すること)
第3章 語用障害が教えてくれること(なにげない表現につまずく;言った人の気持ちを読みとるのが難しい;「わかったつもり」を見直そう)
第4章 ことばのオモテとウラがわかるということ(ひとつではない、ことばのオモテ;文脈は与えられるものとは限らない;2種類のウラのメッセージ;ことばのオモテとウラを理解するために必要な能力)
第5章 意図が伝わるしくみ(相手の言いたいことはわかるもの―認知効果の期待;自分に関係のある情報を優先―処理資源は無限ではない;コミュニケーションの鍵は関連性)
第6章 過大評価しがちな話し手(聞き手に責任はない;話し手の責任は問える;コミュニケーションの消費者心理学)
著者等紹介
松井智子[マツイトモコ]
東京学芸大学教授。1987年早稲田大学教育学部英語英文学科卒業。1988年ロンドン大学ユニバーシティカレッジ文学部英文科修士課程修了、1995年同大学文学部言語学科博士課程修了(言語学博士学位取得)。国際基督教大学、京都大学霊長類研究所を経て、2010年より現職。専門は認知科学、語用論。著書にBridging and Relevance(John Benjamins、市河賞受賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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