出版社内容情報
さまざまな40余りの歴史問題について、史実、これまでの経緯、解決のための道筋を示す、国民必携の手引き。
内容説明
戦後七〇年が経過するにもかかわらず、いっこうに収まる気配のない歴史問題。外交問題にとどまらずに、民間訴訟や反日デモなど、いっそう拡大し再燃しつつある。「靖国神社公式参拝」「従軍慰安婦」「南京虐殺事件」など、さまざまな四〇余りのトピックについて、史実、これまでの経緯、解決のための道筋を示す、簡にして要を得た手引き。
目次
総説 戦争責任・戦後責任・歴史問題
1 戦争・植民地支配と責任(東京裁判;日本政府の歴史認識問題;植民地支配―朝鮮・台湾を中心に;靖国神社公式参拝;従軍慰安婦 ほか)
2 加害・被害と補償(原爆と終戦;日米終戦―天皇の地位と日米関係;昭和天皇の戦争責任;米国の占領政策―検閲と宣伝;強制連行・強制労働 ほか)
著者等紹介
東郷和彦[トウゴウカズヒコ]
1945年生まれ。京都産業大学教授・世界問題研究所長。東アジア国際関係論。外務省にて対ロシア関係を中心に勤務。その後ライデン大学、プリンストン大学、ソウル国立大学などで教鞭をとった後現職
波多野澄雄[ハタノスミオ]
1947年生まれ。国立公文書館アジア歴史資料センター長・筑波大学名誉教授。近現代日本外交史。防衛省防衛研究所、筑波大学教授、同副学長、ハーバード大学客員研究員などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬弐仟縁
24
村山談話の継承を主張する(22頁)。心から詫びる、ということ。先の安倍談話に心はあったろうか? 私は疑問に思う。謙虚に世界の大勢の議論に耳を傾け、米欧の世論を味方につけるにはどう行動し発信すればよいかを考えることが世界のリーダーたる資質(24頁)。史料に即した事実の発見を積み重ねることが必要(35頁下段)。安倍談話のゆくえは44頁~(以上、東郷教授)。大村益次郎が奉職していた東京招魂社から1879年に靖国神社と改称(60頁~)。2015/08/31
脳疣沼
6
岩波なので左寄りだが、各問題がコンパクトに纏められているのは良い。和解の話だから、どちらか一方の意見が丸々通ることはなく、いかに妥協するかという問題でしかない。2015/08/21
GASHOW
4
70年談話や慰安婦問題について確認できます。内容については、youtubeで武田邦彦教授の番組のほうがわかりやすいです。2015/08/07
SNagai
2
戦後の問題として議論されている事項の総覧ができる。自分にとっては本書で十分な内容があるが、本書を糸口としてさらに深い理解へ進むこともできるだろう。2015/09/09
HALCA
0
日本人なら一読すべき良書。現代日本が抱える歴史問題は、帝国主義時代の負の遺産と呼べるものも、敗戦国であるが故に受け入れざるを得なかったものも両方ある。それらは、自虐史観や聖戦史観のような一元的な見方で解決できるようなものではない。国民一人一人が、日本国民としてきちんと歴史を認識し、国内国外の両方に向けて責任を果たすべきではないだろうか。 この本はその足がかりとなる。2019/06/06