内容説明
一九世紀末から二〇世紀半ばにかけて、新天地を求め未知の地である中南米に移住した約三一万人の日本人。その多くは、日本政府が奨励・支援した「国策移民」だった。これまで、人口増加や貧困への対策とされてきた日本の移民政策が、「不要な人々」を国内から排除したうえで、移住先の現地において再び「国民」として統合し、利用するためのものであったことを明らかにする。
目次
第1部 日本人南米移民の歴史(戦前の移民―招かれざる東洋人;戦後移民―「楽園」という名の地獄へ)
第2部 国策としての南米移民(移民支援制度の構築;移民推進政策の復活)
第3部 移民政策のポリティクス(移民はどこから来たか;戦前、移民前夜の政治状況;政治的ガス抜き装置としての南米移民(戦前)
戦後保守政治と南米移民
南米移民政策の政治的意味
国家建設に動員された南米移民)
著者等紹介
遠藤十亜希[エンドウトアケ]
津田塾大学国際関係学科卒、テキサス大学修士号(ラテンアメリカ研究)、コロンビア大学修士号(政治学)、コロンビア大学博士号(政治学)取得。ニューヨーク州立大学ファッション工科大学教養学部助教授を経て、現在、ハワイ東海インターナショナルカレッジ教養学部教授。研究テーマは国家と市民と移民政策。日本の移民政策や、近年のグローバルに輻輳する世界における「移民」の意味を追究する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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