出版社内容情報
水月湖が過去5万年の時を測る「標準時計」となるまで二十数年。国境を越えた研究チームの熱き物語。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mae.dat
267
¹⁴C年代測定。その測定結果は受け入れますけど、理解は出来ていなかった。と言うか、どうしても疑問が付き纏っていたのです。しかしこれでその疑問は解消されました。他の本や記事等では、どうしも測定方法の誤差補正については、メインの話とはならないのでね。でもこれからは、この福井にある水月湖から求めたデータより補正しているのだと脳内補完出来ます( ¨̮ )。関係者の皆さん有難う御座います。水月湖が特異な環境下にあった事は軽く触れられていましたが、もっと詳しく知りたいかも。そこを掘り下げても、面白味は限定的なのかな。2024/04/21
やいっち
82
「水月湖の年縞|特集記事|福井県里山里海湖研究所」によると、「水月湖は、三方五湖の中でも一番大きな湖です。この湖の底には、7万年以上の歳月をかけて積み重なった「年縞(ねんこう)」と呼ばれる縞模様があります。水月湖の年縞は、いくつかの奇跡が重なってできた世界的に珍しい貴重なもので、考古学や地質学における年代測定の「世界標準ものさし」に採用されました」というもの。2021/11/09
kinkin
82
「年縞」という聞きなれない言葉。これは水月湖という小さな湖の湖底に積もった堆積物の物語。このニュースを聞いた時それがいったいどんな意味があるのかよくわからなかった。読み進むうちに「年縞」がどのようなものなのかを少しであるが理解できたと思う。どんな湖の底にも出来る可能性があっても湖底が舞い上がったりすれば完全なものは出来ないという。様々な条件が重なることで世界的なニュースになる「年縞」になったようだ。5万年分の正確な情報が得られるということに驚きを感じると同時にその研究に打ち込む研究者達が凄いと感じた。2017/02/04
はやしま
28
水月湖のことを知ったのはいつのことだったか。地球の気候変動を図る「世界標準」の物差し”年縞”が日本の、福井県の三方五湖の一つの湖底の堆積物だと知ってワクワクした。単に湖が静かで綺麗だったんだろう、と考えていたが、湖の成り立ちなどの奇跡的な偶然(奇跡の堆積物)と、先行研究者たちの成功と失敗、そして日、英、独の研究者たちやボーリング会社の人々の30年近い地道な作業と研究協力の成果であることを本書が教えてくれる。そして研究の面白さも。世界はこうした研究者の地道な作業で支えられていると気づかされる。2015/11/24
はるわか
24
福井の湖(水月湖)、考古学の標準時に、過去5万年(2012年10月:アメリカ科学振興協会AAAS、サイエンス誌)。奇跡の湖・水月湖、1年分1枚が1ミリメートルほど、これが厚さ45メートル、時間にして7万年分堆積。これほどの年縞が連続して堆積している例は世界にもない。活断層による大地震により沈下、埋まらない湖。年縞研究。欠落のないコア(円柱状の掘削試料)の採取。美しい水月湖の年縞堆積物コア。日欧チームによる研究の成果。2017/09/15
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