出版社内容情報
日本初のノーベル賞受賞者は、第二次世界大戦中に軍事研究にも携わったが、市民の被害を知るにつれ考えを変え、その反省は戦後、アインシュタインらとの平和運動に発展する。新公開の日記や遺された文章から、その取組みや思想を追い、コロナ禍や気候危機、少子高齢社会下の我々のあり方を考える。新資料、未公開写真多数。
内容説明
日本初のノーベル賞受賞者は、第二次世界大戦中に軍事研究にも携わったが、基礎研究を中断することはなかった。戦後まもなく、人類は核兵器と共存できず、戦争をしてはいけないと確信を持ち、国内外の平和運動に積極的に関わった。遺された日記や文章から、湯川の取組みや思想を追い、コロナ禍や気候危機、少子高齢社会下の我々のあり方を考える。新資料、未公開写真多数。
目次
第1章 湯川秀樹はどういう人物だったか
第2章 戦火の時代に
第3章 思索の人から行動の人へ
第4章 湯川から学ぶこと
著者等紹介
小沼通二[コヌマミチジ]
1931年東京生まれ。東京大学大学院修了、理学博士。東京大学、京都大学、慶應義塾大学、武蔵工業大学(現東京都市大学)に勤務。現在、慶應義塾大学名誉教授、東京都市大学名誉教授、京都大学基礎物理学研究所湯川記念館史料室委員、世界平和アピール七人委員会委員・事務局長、日本パグウォッシュ会議運営委員など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇿🇦🇵🇸🇾🇪🇸🇾🇱🇧🇨🇺
9
読友さんの感想で読む気になった小冊子で、2020年著。湯川秀樹が戦時中にその大義を信じて軍事協力をし、戦後は平和運動に積極的に参加したことが書いてある。ここでも出て来る「大日本言論報国会」にも参加していて、そのトップは徳富蘇峰。是非、清沢洌(きよし)『暗黒日記』を読んで彼の妄言を知って欲しい。当時の知識人の頂点だった人物の文章を。 戦後は約2年間活動をしていなかったのも止むを得ない話だ。その後の活動を見ると、核兵器に関しては議論が半世紀以上停滞しているのが分かる。→続く2021/05/14
工作魂
1
湯川博士は膨大な資料やメモに至る記録を戦前から残されていたそうで、戦時中の兵器開発の一端や湯川博士がどのようなスタンスで関われていたかもある程度は分かり、記録というものは大事だと痛感。改憲派や再軍備を声高に唱える、反社会的行動の現政権与党や傀儡政党の危険性を改めて痛感させられた。2024/05/03