岩波文庫
マゼラン最初の世界一周航海―ピガフェッタ「最初の世界周航」・トランシルヴァーノ「モルッカ諸島遠征調書」

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  • サイズ 文庫判/ページ数 377p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784003349410
  • NDC分類 299
  • Cコード C0122

内容説明

パタゴニア沿岸の航行、マゼラン海峡の発見、太平洋への突入…。香料確保の使命をおびて西へ西へと航路をたどり、ついには世界一周を成し遂げたマゼラン遠征隊の記録二編。記録者ピガフェッタは乗組員の一人、トランシルヴァーノはスペイン国王の次席秘書。

目次

ピガフェッタ「最初の世界周航」(香料諸島遠征の準備;サンルカル出帆;ブラジル到着;巨人の国;海峡の発見;太平洋を行く;泥棒の島々;フィリピン諸島倒着;セブ王との交歓;マゼランの死;ブルネ訪問;ティドーレ入港;ビクトリア号の出帆;東インドの国々;喜望峰からヴェルデ岬諸島まで;世界周航の完成)
トランシルヴァーノ『モルッカ諸島遠征調書』

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

molysk

61
1519年、マゼランの率いる一行は世界一周の航海に出た。大西洋を西へ、新大陸の尽きる海峡を見出し、太平洋を横切り、フィリピンへと至る。立ち寄る島々で先住民に洗礼を施すも、セブ島で襲撃を受けてマゼランは命を落とす。残された配下たちは、モルッカ諸島で宿願だった香辛料の交易を果たすと、喜望峰を回り、苦難の末にスペインに帰還を果たす。航海者たちがインドと呼んだ土地で、先住民に贈物をしながらも、武力で威圧して改宗を迫る姿は、のちの植民地支配の片鱗が伺える。大航海時代の冒険者の手には、剣と十字架が握られていた。2023/03/26

けいご

27
今の僕たちにはGoogleMAPやGPSがあり、世界の形を把握している気分に浸っているからあまりピンと来ない部分が多かったのだけれど、世界の形もどこの誰がどんな言葉を話すのかさえもが分からないまま命をかけて突き進む事は想像を超えた恐怖を克服する勇気が必要だったんじゃないかな?通信手段がないが故に目に見えない物を信じてしまう事も多々あっただろうし確実な正しさ(スマホ)が手元にない状態での判断は全て経験による「勘」だとするとマゼラン達は尋常じゃない「勇者」だねw歴史に名が残るはずだわ...っと思いましたw2022/12/10

feodor

11
ピガフェッタはお金を出してマゼラン艦隊にわざわざ乗っていった人物だが、異民族の言語に対する関心が強くてなかなかおもしろい。トランシルヴァーノはエルカノたち数名の生存者からインタビューした報告書をしあげた人物。こちらは客観的にマゼラン艦隊の航海をもう一度読み直す感じになった。モルッカ諸島でのティドーリ王が西系を支援したわけが、ライバルにあたるテルナーテ王が葡系の支援を受けていたから、というあたりとか、帰路もカーボヴェルデ諸島でポ勢力に捕まりそうになったり……という西葡間の緊張関係がなかなかおもしろかった。2011/05/29

ikedama99

8
寝床で読んだり、取り出して読んだりと・・長い時間がかかりましたが、先ほど読了。マゼランの物語は読んだことはありましたが、本当の航海に関わる資料を読んだのは、初めてです。ピガフェッタ「最初の世界周航」は、人の動きや出会った民族の話、言語など多岐にわたっていて、面白い。かたやトランシルヴァーノの「モルッカ諸島遠征調書」は、航海の記録を生存者の証言でつづるので、航海の様子がわかるという様子。地図すら怪しい時代に、このように挑戦をした人たちを突き動かしたのは、自分の存在証明なのだろうかなどと考えたりしました。2017/09/06

がんもどき

5
マゼラン(実際にはピガフェッタ)の世界一周記と、また別の人物による調査報告書。意外にマゼランの書き記した分が少ないが、彼はフィリピンで死んでしまったので仕方がない。ピガフェッタの書いた分は訪れた土地土地の言葉についての記述が詳しい。解説によると地球の反対側で怪物が住んでいない事に驚かれたとあるが、ヨーロッパでも山海経みたいな本が出ていたんだと変な所で感心する。アジア人より自分達を一等上に見ていたヨーロッパ人も、セントエルモの火を拝んだり怪物を信じたりして迷信深さでは大差ないなと感じる。2021/10/03

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