出版社内容情報
二十世紀最大の法哲学者・政治哲学者ジョン・ロールズの最晩年の主著。『正議論』で打ち出した「公正な社会」の構想を世界規模に広げ、平和と正義に満ちた「万国民衆の社会」はいかにして実現可能かを追究。正義の戦争は正当化できるか、恵まれた社会はどこまで他国を援助できるのか。「公共的理性の観念・再考」を併載。
内容説明
二十世紀最大の道徳・政治哲学者ジョン・ロールズの最後の主著。『正義論』で打ち出した「公正としての正義」の構想を世界規模に広げ、平和と正義に満ちた国際社会はいかにして実現可能かを追究。正義の戦争は正当化できるか、豊かな国々の民衆はどこまで他国を援助すべきなのか。「公共的理性の観念・再考」を併載。
目次
万民の法(理想的理論(その1)
理想的理論(その2)
非理想的理論
結論)
公共的理性の観念・再考(公共的理性の観念;公共的理性の内容;民主制における宗教と公共的理性;公共的政治文化にかんする広い見方;基本構造の一部としての家族について;公共的理性にかんする疑問;結論)
著者等紹介
ロールズ,ジョン[ロールズ,ジョン] [Rawls,John]
1921‐2002年。元ハーヴァード大学教授
中山竜一[ナカヤマリュウイチ]
1964年生まれ。大阪大学大学院法学研究科教授。法理学・法思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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_udoppi_
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「公共的理性の観念・再考」をメインで読んだ。公共に関わる政治問題を論じる際には、宗教的であれ非宗教的であれ、自己の包括的教義(信念)を持ち込むことができるが、当該包括的教義が支持する諸原理や政策を正当化するためには、公共的な推論によっても理由づけられなければならない。政治問題を論じる際、全人類守ってほしい。また、政治的リベラリズム(一定の規準を満たす正義に関する一群の民主的構想)は啓蒙主義的民主主義とは全く異なり、むしろ否定する。互恵性を満たさない教説は非宗教的教説に過ぎず、公共的理性の内容とは言えない。2023/01/14