岩波現代文庫<br> ぼくらはガリレオ

電子版価格
¥1,122
  • 電書あり

岩波現代文庫
ぼくらはガリレオ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 239p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006032098
  • NDC分類 423
  • Cコード C0142

内容説明

なぜ物は落ちるのか。4人の中学生と先生が「アリストテレスはまちがっている」と言ったガリレオの思考をなぞりながら、物が落ちるほんとうの理由を導きだす。本書は、こんな場合はどうだろう、こう考えたらどうなるか、など仮説を立てながら自分たちで実験し確かめていくという「仮説実験授業」の基本書。待望の文庫版である。

目次

第1話 すりかえられた黄金はどれだけか―アルキメデスとガリレオ(探偵アルキメデスと歴史家ガリレオ;浮力の原理―問題と討論;ガリレオの「小さなはかり」)
第2話 真空とものの落ちる速さについての論争―アリストテレスとガリレオ(この世に「真空」はあるか;原子論をめぐって―科学と思想;大きい石と小さい石の落ちる速さ;ピンポン玉と消しゴムの落ちる速さくらべ)
第3話 空気中で落ちるものの速さ―ガリレオの最初の理論と実験(ガリレオの理論と実験のくいちがい;ものの落ちる速さはどうしてはじめのうち遅いのか;雨粒の落ちる速さ)
第4話 振り子の運動のなぞは落下運動のなぞ―実験もしないで法則が見つかる?(落下実験の新規まきなおし;振り子の運動の研究;振り子の法則から落下運動の法則へ)
第5話 最後の仕上げ―斜面の実験とほんとうの法則(ガリレオのやった斜面の実験の再現;正しい落下法則の数学;ガリレオの最後)

著者等紹介

板倉聖宣[イタクラキヨノブ]
1930年東京の下町に生まれる。東京大学教養学部卒。物理学史の研究で理学博士となる。国立教育研究所名誉所員。私設板倉研究室室員。「仮説実験授業」を提唱し、科学教育に大きな影響を与える。仮説実験授業の実践活動を行なうととともに、月刊誌『たのしい授業』(仮説社)を創刊(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

樋口佳之

57
先生 「精密に考えるために精密なはかり方も考える」というのが近代科学の一つの特徴とも言えるだろうね.ガリレオはその先駆者なんだから/丸暗記で問題解くなどという事では身につかない態度を養う事には繋がると思うのですが。でもこの精密なはかり方の現代の水準は https://bookmeter.com/books/12761072 とかになっていて、一般人にはついていくのが甚だ困難になっているのではないかと思います。現在は相対論や量子論の技術的恩恵(GPS、半導体等)を受けて生活が成り立っているようですが、→続2021/12/27

おたま

28
ガリレオが落下の法則を発見するまでの試行錯誤を追体験し、落下の法則をその意味から理解できるように書かれている。それを理解するために、科学の歴史(アルキメデスやアリストテレスの考えも)を使い、4人の少年少女による討論も入れ、さらに実験を行い(写真や図も多様されている)、法則の確立へといたる。ガリレオもまた同様の過程を通って落下の法則を発見したという。科学的に物事を考えていく醍醐味を味わえる本。しかも、対象は中学生ぐらいなので読んでいて決して難しくはない。一般の人が読んでも科学の面白さを体験できると思う。2021/12/25

壱萬弐仟縁

22
1972年初出。 ばねばかりで浮力の実験は、 小学生の一研究のようでいて、 実は面白い気がする。 生徒と先生の対話の中で、 先生は「どうすれば子どもたちが 楽しく科学を勉強できるかという研究 など、政治や思想にはほとんど関係が ないようにも思いますが(略) 思想の問題をさけると、小さな 問題ばかり研究しなければ ならなくなります」(83頁)という。 ジョルダノ・ブルーノの考えを受けて。 教科や科目、指導要領の枠を外して 自由な発想で問題に接近するのが 科学の基本ではないかと思われる。    2014/05/23

gollum

11
人間が人間になるためには、その個体発生において系統発生(歴史)を再生することが求められており、教育はその歴史の加速された再現を助けるものだと考える。仮説実験の手法で「浮力の法則」「落下の法則」を丹念にたどる本書は、単に科学史としてのアルキメデス・ガリレオの紹介に留まらず、認識・科学の方法がどこから来てどこへ行こうとしているのかという風・ベクトルを感じさせてくれる。物理を教えることが公式とその演習の詰め込みに出している昨今、学校での科学教育にはこのような授業が中心であってほしい。中学生の必読図書としたい。2013/01/13

Hirohito

9
科学の父、ガリレオ・ガリレイ。思考実験により慣性の法則も発見していたということで、天才的な人物をイメージしていたが、落下の法則などを生涯考え続け、自分の間違いを修正しつつ、かなり晩年になって正しい理論にたどり着いていたとは意外だった。ニュートンの「巨人の肩に乗っていたから~」という言葉を思い出すが、巨人も一夜にして大きくなったのではないようだ。子どもに勧めようと思うが、読んでくれるだろうか・・・??2013/06/13

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/2032058
  • ご注意事項