朝日選書<br> ルポ 生殖ビジネス―世界で「出産」はどう商品化されているか

電子版価格
¥1,899
  • 電書あり

朝日選書
ルポ 生殖ビジネス―世界で「出産」はどう商品化されているか

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 222p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784022630339
  • NDC分類 495.48
  • Cコード C0336

出版社内容情報

【社会科学/社会】生殖技術の進展により、不妊カップルだけでなく、独身者、同性愛カップルまでが「子ども」を持てる時代になった。代理母先進地のインド、タイ、ベトナムで当事者や関係者にインタビューした著者が、代理出産の今と将来を描き出す。

内容説明

代理母先進地のインド、タイ、ベトナムの現地で代理母、依頼者、仲介者、医師にインタビュー調査をした著者が、代理出産の現状と未来をリアルに描き出す。他人の子を代わりに産むこと、他人に子を産んでもらうこと…さまざまな境遇の人びとの生の声からは、変貌する社会の家族観や子ども観、さらに貧困問題や南北問題までが浮かびあがってくる。

目次

序章 止まらない「出産」の商品化(グローバル化と日本;出産の商品化がもたらすもの ほか)
1章 搾取なのか恩恵なのか―インドの商業的代理出産と代理母たち(商業的代理出産の合法化と規制強化まで;商業的代理出産のプロセス ほか)
2章 膨張と収縮のはざまで―インドからタイへ、タイからネパール、メキシコへ(医療ツーリズムと不妊治療;ルールの欠如 ほか)
3章 最新の生殖テクノロジーと血縁概念―ベトナム(体外受精の導入と普及;禁止される代理出産 ほか)
4章 国内不妊患者と渡航治療(赴任患者の高齢化と「卵子の老化」;卵子提供への利用意思 ほか)
終章 出産の商品化のゆくえ(「利用する側」から見た生殖ツーリズム;出自を知る権利 ほか)

著者等紹介

日比野由利[ヒビノユリ]
京都府出身。金沢大学大学院医薬保健学総合研究科助教。東京都立大学大学院社会学科学研究科博士課程単位取得退学。専門は社会学、生命倫理学。担当したプロジェクト:文部科学省補助金「女性に親和的なテクノロジーの探求と新しいヘルスケア・システムの創造」、内閣府最先端・次世代研究開発支援プログラム「グローバル化による生殖技術の市場化と生殖ツーリズム」、厚生労働省補助金「諸外国の生殖補助医療における出自を知る権利の取り扱いに関する研究」など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

プレイン

14
代理出産、精子バンク、卵子ドナー。これらが合法、違法を問わず世界ではビジネスとしてここまで進んでいるとは知らなかった。体外受精の意味も知らぬまま貧困のために代理母になるインドの女性。タイでは徳を積めば来世で幸せにならるという仏教的な信仰から不妊で困っている人を代理母として助ければ良いと肯定する考えもあるらしい。でもゲイカップルが卵子バンクから提供された卵子で代理出産して子供を持つことにはどうしても違和感を覚えてしまう。子宮移植を受ければそのうち男性でも子供が産める話などとてもついていけない。恐ろしいことが2015/09/22

ゆき

9
タイ・ベトナム・インドと貧困が目立つ国の女性が請け負っている代理母や卵子提供ビジネス。仏教的な考え方で「徳を積む」というのもあるかもしれませんけどね。でもなー・・・。男性もそのうち産めるかもしれないという朗報です!子宮移植が!っていうか、それはちょっと考えてなかった。移植か!でもそれなら女性のほうが欲しがる人多いから、男性にまで回らないだろうな。(現実的ではないな)やっぱり未来は十二国記の胎果のように人工卵子、精子、子宮になるのかな~。2015/09/27

teru

8
新興国の貧しい女性が知識も無いまま代理母として生殖ビジネスに利用される現実に心が痛んだ。 利用する人の切実な想いもある。 様々なトラブルや日本人男性の事件も表面化する中法的整備が必要だと感じた。2015/08/24

lily

6
代理出産の受け入れが、インドではカルマ・ポイント、タイではタンブンになり、来世で豊かな生活が保障されるという考えがある。跡継ぎの居ない家庭は勤めを果たしていないと考えるベトナムでは、別の男性と性交渉してでも子供をもうけるべきだという感覚がある。代理出産の問題は、その国の国民が持つ倫理観や価値観に根差していると言える。日本でも倫理的問題はあれど、性的少数者が子供を持てるようにするための議論がもっとあっていい。同性婚の是非が最たるものであろう。多様性の担保が、少子化を打開する一つの選択肢になると、私は思う。2016/12/23

Asako Nakamura

6
子供をおなかで育てて、出産するということがビジネスとして成立している。でも、やはり最優先されるべきは、生まれてくる子供の幸福であると思います。親の幸福じゃなく。もちろんブローカーやエージェントの幸福でもなく。2015/07/23

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/9767231
  • ご注意事項