内容説明
だれもが夢を追い、豊かさを求めたあの「高度成長」とは、何だったのか!?「所得倍増計画」から石油危機までの14年間で、日本社会と日本人の生活は劇的に変化した。「三種の神器」や自家用車を手に入れ、東京オリンピック、大阪万博に沸く―。常に目標に向かって突き進む国民性は「一億一心火の玉」となって敗れた、あの戦争の頃と変わらない。なぜ「もう一つの戦争」には勝ち、経済大国になれたのか?昭和史研究の第一人者が徹底検証する!
目次
序章 軍事敗戦・経済勝利の構図
第1章 経済大国への道程
第2章 企業社会を生き抜いた庶民
第3章 十四年間の三つの時代
第4章 指導者たちの戦争体験
第5章 噴出した日本社会の矛盾
終章 得たもの、失ったもの
著者等紹介
保阪正康[ホサカマサヤス]
1939年、北海道生まれ。同志社大学文学部社会学科卒。ノンフィクション作家。「昭和史を語り継ぐ会」主宰。『昭和史講座』などで第52回菊池寛賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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hatayan
43
所得倍増計画の1960年から石油危機まで14年にわたる日本の高度成長。舵取りを行ったのは当時の首相の池田勇人、経済学者の下村治、首相秘書官の伊藤昌哉。参謀の戦略に基づいて官僚や財界が動く形は戦争の進め方と裏表をなすものでした。筆者が強調するのは、海軍が行ったエリート教育ともいえる「短期現役制度」で育った人材の存在。戦争の原価計算や経済的な損得を学んで現実的な発想を身に着けた彼らは、軍事の非人間的な側面を克服すべく、その知性と人脈をもって高度成長の推進役になったことを具体的な出身者を挙げて明らかにします。2020/08/08
totuboy
3
戦中期の14年間と、高度経済成長の14年間を対比させながら、なぜあのような奇跡的な発展を遂げることができたのかを述べている。しかし、全体的には少しデータ、根拠となる部分が弱い気もする。多くの人の発言や書籍からの引用はあるが、客観的にこの時代を分析するような数値がもっとあってもよいと思う。2013/08/02
Humbaba
2
経済が成長し、かつそれを実感できる時代。数字上成長しているというだけでなく、自分を取り巻く社会が変化していることを実感できるという意味では、現在よりも良い時代と言えるかも知れない。しかし、そこには良い部分ばかりでなく、様々な問題もあったというところは記憶し、今後の糧とするべきであろう。2013/12/27
onepei
2
戦中の短期現役制度による主計将校が戦後活躍した話が興味深い。2013/08/25
本命@ふまにたす
1
高度成長について、国民の意識、認識などの側面から論じる。経済的な側面に関する分析が中心に据えられている印象。2022/04/11
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