講談社選書メチエ<br> こころは内臓である―スキゾフレニアを腑分けする

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講談社選書メチエ
こころは内臓である―スキゾフレニアを腑分けする

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  • サイズ 46判/ページ数 256p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784062586696
  • NDC分類 493.76
  • Cコード C0311

出版社内容情報

運動的な機能低下、「考えること」への禁止メカニズム、衝動的なものの否認など、この病気の本態を見極め、ヒトの心的傾向を総覧するかつては精神分裂病と呼ばれ、今では統合失調症と名称変更された病気「スキゾフレニア」。精神科医としての50年をこの病気の治療に当たってきた著者が、それは俗に言われるように「正常」と断絶された「狂気」とされるものなのか、あるいは治療法のある「症状」なのかを問題意識としながら、この病気の本態を語り尽くす。
また、この病気に見られる「現実の否認」「現在の消失」「心的エネルギーの回路づけの不具合」「昏迷」などの特徴が、ヒトの心的特性の極端化であり、時代の精神的風潮とも繋がっていることに射程を拡げていく。
自らを「内臓の医者」と称する精神科医が見極めた、病の本態と人間の心の働き方。

第1章 「スキゾフレニア」の履歴
第2章 始まりの不具合
第3章 奇妙な世界に入り込んで……
第4章 運動・思考が停止する!
第5章 「現実」の変容より「現在」の喪失の方が重い病
第6章 フィールドへ出よ
第7章 身の内にうごめくもの、その否認
第8章 眼も耳も嘘をつく――修正するのはアクション
第9章 脱施設化再考――終わっていない課題
第10章 心を概念化するメカニズム――メタファー経由の理解


計見 一雄[ケンミ カズオ]
著・文・その他

内容説明

スキゾフレニアは伝統的に理性の病とされてきた。さらに魂の崩壊とも見られたこの病気の根底にあるものは何か。臨床的に見えてくるのは運動的な機能の低下、不自由さ、また、衝動的なものへの「否認」による怒りなどの感情の禁止。豊富な経験を持つ精神科医が捉える病気とこころの本態とは?身体として生きるエネルギーを奪う「否認」のメカニズムが病人だけのものではないことを見通し、ヒトの心的傾向を探る。

目次

序章 回復途上の三人
第1章 「スキゾフレニア」の履歴
第2章 始まりの不具合
第3章 奇妙な世界に入り込んで…
第4章 運動と思考が停止する!
第5章 「現実」の変容より「現在」の喪失の方が重い病
第6章 フィールドへ出よ
第7章 身の内にうごめくもの、その否認
第8章 眼も耳も嘘をつく―修正するのはアクション
第9章 脱施設化再考―終わっていない課題
第10章 心を概念化するメカニズム―メタファー経由の理解

著者等紹介

計見一雄[ケンミカズオ]
1939年生まれ。千葉大学医学部卒業。医学博士。千葉県精神科医療センターの設立に参画、名誉センター長。公徳会佐藤病院顧問。精神科救急医療という分野の開拓者で、日本精神科救急学会初代理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たまきら

27
腸と脳の関連本かと借りてきたらちょっと違いました。違いましたが、「内臓」という定義や心がおこす問題への定義などを読んでいるうちにああ、そういう感覚で診断をされているんだな、と。ただちょっと前章に戻って確認したり、日に迷った気持ちになってしまいました。2019/02/25

kenitirokikuti

7
「考え方が甘い」や「美味しい話」など、アイディアに関わるレトリックって食べることに関係あるよね。果たして「胃袋」を持たない人工知能はヒトと同じこころを持ってるとみなしうるのだろうか? 人工知能のこころって重いスキゾフレニアなんじゃない? …みたいなつぶやきがあった。▲毎日新聞の書評で、養老孟司が取り上げていた。養老氏も計見氏も80近いので、半ば彼岸めいた筆致である。中高年みたく若いときのように体が動かんわー、といった衰え愚痴ではなく、魂が薄くなってるような感覚。2018/02/12

ポカホンタス

4
私が調べていたテーマにぴったりのタイトルだったので読んでみたがあてが外れた。でも少しだけヒントをもらった。著者の話は奔放で時に鋭い批評が含まれるが、床屋談義的で焦点が定まらない。たくさん著書があるのだが全部こんな調子だろうか。「心は内蔵である」というテーマをもっと掘り下げて欲しかった。大物精神科医で、会った人からは、「すごい人だ」とよく聞くが、すでに79歳。文章がルーズになるのも仕方ないか。2018/01/30

smile

1
以前に統合失調症の若者と関わること多く、精神科医って何をしてるのかと思うことが多かったが、この著者は信頼できると思った。「この病気は治る」を信じたい。 僕自身も子どもの頃よく感じていた「離人感」が説明された。2023/04/12

しびぞう

1
タイトルは面白いのだが、いかんせん文章に個性がありすぎる。2018/02/07

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