講談社現代新書<br> 第一次世界大戦と日本

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講談社現代新書
第一次世界大戦と日本

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  • サイズ 新書判/ページ数 274p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784062882668
  • NDC分類 210.69
  • Cコード C0221

出版社内容情報

サラエボの銃声は日本を震撼させた。複数政党制、長期停滞、格差社会……、現代日本が抱える課題の原点は第一次世界大戦にあった!

2014年は第一次世界大戦の開戦100年目です。その影響は第二次世界大戦以上で日本にも深く及んでいました。大戦前後の日本社会を観察すると「複数政党制への過渡期」「好景気から長期停滞へ」「大衆社会のなかの格差拡大」という、まさに今日的な課題がみえてきます。この戦争が浮かびあがらせた課題は21世紀の現在も構造としては変わっていないのです。本書は、さまざまな側面から「現代日本」の始まりを考える一冊です。

内容説明

「世界の一等国」の仲間入り、大衆消費文化、バブル崩壊とその後の長期経済停滞、格差と貧困、女性の社会進出…「現代日本」はここから始まった。

目次

1章 外交(サラエボの銃声;欧州大戦略史 ほか)
2章 軍事(日本海軍、地中海へ;白色人種対有色人種 ほか)
3章 政治(憲政会;政友会 ほか)
4章 経済(成金の登場;株成金 ほか)
5章 社会(農村の貧困;救済事業 ほか)
6章 文化(江戸っ子のフランス兵;アルザスの重要性 ほか)

著者等紹介

井上寿一[イノウエトシカズ]
1956年、東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学院法学研究科博士課程、学習院大学法学部教授などを経て、学習院大学学長。法学博士。専攻は日本政治外交史。主な著書に、『危機のなかの協調外交―日中戦争に至る対外政策の形成と展開』(山川出版社、吉田茂賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

糜竺(びじく)

23
第一次世界大戦後の日本と、現代の日本とかなり共通点が多いことに驚いた。2022/05/11

ロッキーのパパ

18
ちょうどこの時代に活躍した原敬・高橋是清・加藤友三郎の傑物振りが目立った。明治維新と第二次世界大戦の狭間であまり目立たないけど凄い人物だったんだね。あと、日英同盟とかWWIの対独参戦って、旧日本陸軍はドイツ志向が強かったことを考えると不思議だよね。それ以外にもいろいろ新しい気づきもあり、良い本を読めたと思う。2014/10/30

LUNE MER

15
直接的ないし間接的に第一次世界大戦というイベントの影響を受けた出来事というのはそれは色々あるだろうとは思っていたものの、なるほどなるほどと普通に勉強になるものから「え?これもそうなの⁈」とビックリした小ネタまで話題豊富。パン屋であった新宿中村屋が本格インドカレーを扱うことになったキッカケは当時の国際情勢の産物だったり、名宝『佐竹本三十六歌仙絵巻』が36人別に切断されて売却される羽目になったのは大戦の陰で生まれた成金の栄枯盛衰によるものだったり。2021/09/21

かんがく

14
「欧州大戦」と捉えられがちなWW1を日本との関係に注目して外交、軍事、政治、経済、社会、文化の各テーマから解説。アメリカの勝利により、平和とデモクラシーが拡大したものの、それが民衆による満州事変や515事件支持に繋がってしまうという歴史の皮肉を感じた。大正日本を形作った戦争である。2020/07/23

Francis

13
5年以上積ん読していた本。ややタイトルに偽りあり的なところがあり、大正時代史の方が近い。第一次世界大戦が国際協調、デモクラシーの発展をもたらし、その潮流が日本にどのような影響を与えたかを述べる。国際協調外国を推進した外交官たちや原敬ら立憲政友会・憲政党の政党政治家の奮闘も述べられている。読むにつれて著者の史観は日本近代史の坂野潤治さんに近いように感じた。井上さんも坂野さんも従来のマルクス主義的な歴史家と異なり戦前の日本にまだ可能性があったことを述べる傾向があるが、最近の日本近代史の傾向でもあるのだろうか。2020/08/22

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