出版社内容情報
権力者秀吉の庇護下に侘茶を追求、その命じるまま自刃した利休の内面の悽愴の風景を描く著者晩年の代表作。師千利休は何故太閤様より死を賜り、一言の申し開きもせず従容と死に赴いたのか? 弟子の本覚坊は、師の縁の人々を尋ね語らい、又冷え枯れた磧の道を行く師に夢の中でまみえる。本覚坊の手記の形で利休自刃の謎に迫り、狭い茶室で命を突きつけあう乱世の侘茶に、死をも貫徹する芸術精神を描く。文化勲章はじめ現世の名誉を得た晩年にあって、なお已み難い作家精神の耀きを示した名作。日本文学大賞受賞作。
井上 靖[イノウエ ヤスシ]
著・文・その他
内容説明
師千利休は何故太閤様より死を賜り、一言の申し開きもせず従容と死に赴いたのか?弟子の本覚坊は、師の縁の人々を尋ね語らい、又冷え枯れた磧の道を行く師に夢の中でまみえる。本覚坊の手記の形で利休自刃の謎に迫り、狭い茶室で命を突きつけあう乱世の侘茶に、死をも貫徹する芸術精神を描く。文化勲章はじめ現世の名誉を得た晩年にあって、なお已み難い作家精神の輝きを示した名作。日本文学大賞受賞作。
著者等紹介
井上靖[イノウエヤスシ]
1907・5・6~1991・1・29。小説家。軍医の父の赴任地、北海道旭川で生まれる。幼年期を伊豆湯ヶ島で過す。京都帝国大学文学部卒。20代から詩作を始め、同人詩誌『聖餐』を主宰する一方、懸賞小説に応募。1936年、大阪毎日新聞社に入社。50年、「闘牛」により芥川賞を受賞、本格的に作家活動に入る。51年、毎日新聞社を退社、記者生活に終止符を打つ。著書に『氷壁』(日本芸術院賞)、『敦煌』『楼蘭』(二作により毎日芸術大賞)、『淀どの日記』『孔子』(共に野間文芸賞)、『おろしや国酔夢譚』『本覚坊遺文』(共に日本文学大賞)等がある。日本芸術院会員。76年、文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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