講談社文芸文庫
大阪文学名作選

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  • サイズ 文庫判/ページ数 346p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062901406
  • NDC分類 913.68
  • Cコード C0193

出版社内容情報

笑いの底に強靱な批評精神を秘め 愛しき人の世をリアルに描く名品十一

西鶴、近松から脈々と連なる大阪文学は、ユーモアの陰に鋭い批評性を秘め、色と欲に翻弄される愛しき人の世をリアルに描く。川端康成「十六歳の日記」、折口信夫「身毒丸」、宇野浩二「子の来歴」、武田麟太郎「井原西鶴」、織田作之助「木の都」、庄野潤三「相客」、河野多惠子「みち潮」、野坂昭如「浣腸とマリア」、小野十三郎「大阪」(抄)、山崎豊子「船場狂い」、阪田寛夫「わが町」(抄)の名品十一。

富岡多惠子
現在までのところ、近松資料館、西鶴文学館のごときものが大阪市内にあるとは聞かない。まして近代文学に関しては推して知るべしというところで(中略)この手の大阪の「つれなさ」は冷淡とはちがって、どこか含羞とつながっていないだろうか。文芸、文学というのは「もっともらしい」ことを嫌うはずだ、それを「もっともらしい」エライものにしてしまっては――という気持があるのかもしれぬ。――<「解説」より>

富岡 多惠子[トミオカ タエコ]
編集

川端 康成[カワバタ ヤスナリ]
著・文・その他

折口 信夫[オリクチ シノブ]
著・文・その他

宇野 浩二[ウノ コウジ]
著・文・その他

武田 麟太郎[タケダ リンタロウ]
著・文・その他

小野 十三郎[オノ トオザブロウ]
著・文・その他

織田 作之助[オダ サクノスケ]
著・文・その他

山崎 豊子[ヤマサキ トヨコ]
著・文・その他

庄野 潤三[ショウノ ジュンゾウ]
著・文・その他

河野 多惠子[コウノ タエコ]
著・文・その他

野坂 昭如[ノサカ アキユキ]
著・文・その他

阪田 寛夫[サカタ ヒロオ]
著・文・その他

内容説明

西鶴、近松から脈々と連なる大阪文学は、ユーモアの陰に鋭い批評性を秘め、色と欲に翻弄される愛しき人の世をリアルに描く。川端康成「十六歳の日記」、折口信夫「身毒丸」、宇野浩二「子の来歴」、武田麟太郎「井原西鶴」、織田作之助「木の都」、庄野潤三「相客」、河野多惠子「みち潮」、野坂昭如「浣腸とマリア」、小野十三郎「大阪」(抄)、山崎豊子「船場狂い」、阪田寛夫「わが町」(抄)の名品十一。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Shoji

38
大阪に由縁のある作家のオムニバスです。11の作品が収録されていますが、なかなか渋めのチョイスです。少々難解なものが多く、読み進めるのに時間がかかりました。オダサクの『木の都』、山崎豊子の『船場狂い』は再読でしたので、すんなりと読み進めることができました。一方、折口信夫の『身毒丸』も再読ですが、やはり難解で悪戦しました。こんなのスラスラ読める奴いるんだろうか。そんなことさえ思った。お疲れ様でした。2022/05/31

A.T

22
【富岡さんの追悼読書4】再読。大阪文学、というくくり方があるんだね。この本を読んで大阪への興味が深まり、今ではそのために大阪へ旅行もするようになった記念碑的なアンソロジー。オダサクは「木の都」。情景と心情の描写が途切れなく描かれる口縄坂を登るシーンが好き。夕陽に染まってゆく大阪の港が視界に開けると同時に懐かしさが迫ってくる。野坂昭如「浣腸とマリア」、これはどうなの?大阪の人は笑って済ませてるのかなぁ。(続く)2023/04/27

浅香山三郎

17
富岡多惠子さんのセレクションといふのも気になつて、本書を手にとつた。文庫の後ろの概要には、「大阪文学は、ユーモアの陰に鋭い批評性を秘め、色と欲に翻弄される愛しき人の世をリアルに描く」とある。全くそのとおりで、折口信夫「身毒丸」、野坂昭如「浣腸とマリア」、山崎豊子「船場狂い」といふそれぞれ妖しい個性を放つ作品に加え、阪田寛夫・河野多惠子・織田作之助・宇野浩二・武田麟太郎・庄野潤三、それに小野十三郎といつたモダンな作家たちの作品に大阪文学の味はいを看取してゐるのも佳い。2020/10/25

マツユキ

11
大阪と日本文学というのに惹かれ、手に取りました。どちらにも詳しくありませんが、土地と時代を感じ、読みごたえがありました。インパクトがあったのは、野坂昭如『浣腸とマリア』、山崎豊子『船場狂い』。じっくり読めたのは、河野多恵子『みち潮』、庄野潤三『相客』。阪田寛夫『わが町』(抄)、織田作之助『木の都』は回想。住んでいる場所から、舞台が一番近いのは、川端康成の『十六歳の日記』で、隣の市です。折口信夫『身毒丸』、武田麟太郎『井原西鶴』は、今度は別方面から知りたい。2020/01/30

とまと

6
野坂昭如「浣腸とマリア」、折口信夫「身毒丸」を再読。2013/11/03

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