講談社文芸文庫
老残/死に近く―川崎長太郎老境小説集

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  • サイズ 文庫判/ページ数 317p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784062902168
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

60歳で若い妻を迎えた私小説作家の、結婚前夜から死の床までを描いた短篇を時系列でまとめた短編集。絶筆「死に近く」収録。60歳を過ぎての結婚から、83歳の死まで、自らの「老い」と「病」を見つめた、晩年20年にわたる珠玉の短篇をの集成。30歳年下の女性との結婚に至る葛藤と顛末を描いた「彼」「老残」。その後の結婚生活の波乱を記す「老坂」。病と向き合う「海浜病院にて」「七十歳」。死を身近に感じる「夕映え」、そして絶筆「死に近く」――最期まで文学への情念の炎を燃やし続けた「私小説家」川崎長太郎の神髄に迫る。


老残
結婚
円い食卓
海浜病院にて
七十歳
老坂
三本脚
独語

夕映え
死に近く


川崎 長太郎[カワサキ チョウタロウ]
著・文・その他

内容説明

六十歳を過ぎての結婚から、八十三歳の死まで、自らの「老い」と「病」を見つめた、晩年二十年にわたる珠玉の短篇を集成。三十歳年下の女性との結婚に至る葛藤と顛末を描いた「彼」「老残」。その後の結婚生活の波瀾を記す「老坂」。病と向き合う「海浜病院にて」「七十歳」。死を身近に感じる「夕映え」、そして絶筆「死に近く」―最期まで文学への情念の炎を燃やし続けた「私小説家」川崎長太郎の真髄に迫る。

目次


老残
結婚
円い食卓
海浜病院にて
七十歳
老坂
三本脚
独語

夕映え
死に近く

著者等紹介

川崎長太郎[カワサキチョウタロウ]
1901・11・26~1985・11・6。小説家。神奈川県生まれ。小田原中学を中退して、家業の魚商につく傍ら、同郷の民衆詩人福田正夫に師事、左翼的作品を発表。1920年頃より上京、帰郷を繰り返す。23年、萩原恭次郎、岡本潤らと「赤と黒」創刊。震災後アナーキズム運動から離れ、25年、徳田秋声の推挽で「無題」を発表、文壇デビュー作となる。私小説家をめざすが、不遇な時代が続く。38年、永住の覚悟で帰郷、実家の物置小屋に棲み、創作に専念。54年、娼婦たちとの関わりを描いた『抹香町』で長太郎ブームが起きる。62年、結婚。私小説一筋の生涯を貫いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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フリウリ

1
「三十も年下の未亡人と、多年やもめ暮ししてきた六十爺との風変りな結婚は、文壇方面に話題投げてか、今のところ、原稿の依頼もふえ加減と云った調子で、私も意を大いに強くしました。これをしおに、二、三年来のスランプ脱し、いいもの書いて、彼氏が大きな顔の出来る作家に生長することは、私に二つとない夢のすべてであり、祈願でした」p124 と、奥さん目線で己を書いてしまう川崎長太郎である。結果として晩年は、奥さんと暮らしたおかげで、小説のネタと意欲を得て、書くことができた。幸運である。72022/10/13

yoyogi kazuo

1
六十を過ぎて三十歳下の妻を迎えてから後の私小説集。右半身を麻痺してなお創作への情熱が衰えぬ様を見せられ身の引き締まる思い。千代子夫人の文章が読めたのは良かったが、解説の文章が独り善がりのメルヘンで残念。もっとちゃんとした解説が読みたかった。2021/05/04

Asakura Arata

1
たいした盛り上がりもなく物語が進んで行くので、リラックスして読めるのが有り難い。30歳離れている奥さんの献身ぶりはすごいなあ。歩くのが趣味の私との波長があうので楽しい。2014/01/25

渡邊利道

0
晩年を描いた作品を集めたもので、いくつか未読のものがあったので読んだ。遺作「老残」はゆっくり衰え消えていく感じがしみじみさせる。2016/08/07

かんたろー

0
Kantaroはすでに54歳であった。老い先短く、雄の機能もあらかた弱体化し、草食動物のような趣であった。家人がいない時は、近くのラーメン屋で腹を塞ぎ、外食にビールは欠かせなかった。後にも先にも歩くのが健康法ながら、長年の歩行は、小学校の時骨折して回復しなかった足親指の関節にこたえ、あの時しっかり治しおけばと後悔先に立たず、霊峰見える間は癒されるが、何もかも後悔する小心かつ気弱な性質であった。2014/05/31

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