講談社学術文庫<br> 大政翼賛会への道―近衛新体制

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講談社学術文庫
大政翼賛会への道―近衛新体制

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  • サイズ 文庫判/ページ数 256p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784062923408
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0121

出版社内容情報

国防国家確立のため憲法改正や解釈改憲により、一党支配を目指した新体制運動。近衛文麿を担ぐ革新派の行動と実像を明らかにする。ヨーロッパでの戦線が拡大し、開戦前夜の様相を帯びてきた昭和15年(1940年)、帝国憲法の改正やその弾力的な運用を含む政治・経済・社会体制の変革を目指す新体制運動が、左右の「革新派」を中心に巻き起こる。この無血革命ともいえる運動の中心は、その革新性と天皇に近い高貴な出自によって近衛文麿とされた。かつて次女・温子の結婚前日に自宅で催された仮装パーティーの際ヒトラーの仮装をしたという近衛は、自身の強者へのあこがれもあって、これを積極的に受け入れた。そして第二次近衛内閣成立後、近衛は内大臣を通じて意見書を天皇に提出。そこには、国防国家体制の必要から権力分立を謳った憲法の改正や時代の進運に応じた運用を訴え、執行権力の集中、および東亜新秩序追求の世界史的意義と統制経済の確立が強調されていた。近衛を担いだ新体制論者の多くは、打倒すべきは財閥を中心にして、その政治的代弁者である既成政党であり、彼らの輩下にある旧官僚であり、新しい状況を認識しない軍官僚=軍閥であり、天皇をとりまく宮廷官僚である、という共通認識をもっていた。すべての国家機構が一つの党の指導下におかれ、その最高指導者は天皇に対する唯一の輔弼者となるという構想のもとに展開した運動は、大政翼賛会を発足させる。その一部始終から、開戦に突入していく日本の政界、財界、官界から軍部、労働運動指導者など各層の思惑と行動を分析する名著。

序章 新体制の成立
第一部 近衛新党運動、<昭和13年>
    1章 さまざまな「復古?革新」派
    2章 軍部の中の動き
    3章 社会大衆党の「復古?革新」派化
    4章 実現しなかった近衛新党計画
第二部 近衛新体制運動の展開<昭和15年>
    5章 近衛新党に対するさまざまな期待
    6章 動き出した新体制運動
    7章 大政翼賛会の発足
    8章 大政翼賛運動の落日
終章 新体制運動とは何であったのか
あとがき
追記
参考文献
関連年表


伊藤 隆[イトウ タカシ]
著・文・その他

内容説明

すべての国家機関がひとつの党の指導下におかれ、その最高指導者は天皇に対する唯一の輔弼者となるという構想のもと展開した新体制運動。推進者の多くが、打倒すべきは財閥を中心にして、その政治的代弁者である既成政党、旧官僚、軍官僚、宮廷官僚という共通認識をもっていた。しかし、憲法違反の批判や旧体制派の抵抗で大政翼賛会は政府の運動組織に改組される。

目次

第1部 近衛新党運動“昭和一三年”(さまざまな「復古‐革新」派;軍部の中の動き;社会大衆党の「復古‐革新」派化;実現しなかった近衛新党計画)
第2部 近衛新体制運動の展開“昭和一五年”(近衛新党に対するさまざまな期待;動き出した新体制運動;大政翼賛会の発足;大政翼賛運動の落日;新体制運動とは何であったのか)

著者等紹介

伊藤隆[イトウタカシ]
1932年、東京都生まれ。東京大学文学部国史科卒。東京大学文学部教授、埼玉大学大学院教授、政策研究大学院大学教授を経て東京大学名誉教授。近代史史料やオーラルヒストリーを編纂・刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ゲオルギオ・ハーン

23
大政翼賛会が成立するまでの経緯をまとめた一冊。教科書程度のことしか知らなかったので、どうして結成する流れになったのかが分かって興味深かった。1930年代でも日本はドイツやイタリア、ソ連のような独裁的に国力を結集できる体制が整備されていなかった。「革新派」とされる人々はそれを危惧し、政界のプリンス近衛文麿を担いで大政翼賛会運動を進めていく。近衛の煮え切らない動きや革新派以外の人々からの反発もあってなかなか進まない点が細かく説明されているところも良かった。戦時下での展開も含めてもっと知りたいと思いました。2021/09/19

ステビア

20
新体制運動とは中絶した一国一党運動だった、ということなのかな。近衛というのはずいぶん優柔不断な人だったようだ。2020/11/23

かんがく

12
革新-漸進/進歩-欧化の分類によってこの時代の思想が理解しやすい。革新を求めて行われた新体制運動が、漸進や復古の反対の中で中途半端なものになっていった経緯が参加者たちの日記などからわかる。独伊ソなどの「下」からの一国一党体制とは似ても似つかない、「上」からのグダグダ。2020/11/03

筑紫の國造

11
近衛新体制研究の古典的名著として知られる、『近衛新体制』の新装版。いわゆる「新体制運動」の担い手として「復古–革新」主義者たちの存在を定義し、どんな人物がどのような構想で運動を進め、どのような問題点があったのかを明らかにする。「あとがき」にあるように、そもそも研究の蓄積や史料の少ない時代に始めたことからまずは史料集め、関係者の聞き取りから始めたという、まさしく先駆的研究と言えるだろう。以後の新体制研究は、多かれ少なかれ本書の影響を受けているのではないだろうか。この時代を研究するのに、まずは読むべき名著。2022/11/11

ムカルナス

11
ワシントン体制への不満、持たざる国家の苦悩により日本は資本主義ではなく統制経済の社会主義体制を強力な政治指導で推進して国力を増強し、帝国主義国家(=米英)を打倒して国家の生き残りを図ろうとする。現代から見ると特殊な人々の虚妄に思えるが、当時は米英の国力を実感でき、戦争することの愚がわかる人のほうが稀で、インテリ青年、革新的な軍部、新官僚etc皆が大政翼賛会に賛同した。そういう人々の多くが戦後左翼になる。戦後の話は本書にはないが、世界の現実を見ようとしない独りよがり左翼体質が引き継がれているようで興味深い。2018/03/11

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