講談社選書メチエ<br> 実在とは何か―マヨラナの失踪

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講談社選書メチエ
実在とは何か―マヨラナの失踪

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  • サイズ 46判/ページ数 176p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784065122204
  • NDC分類 137
  • Cコード C0310

出版社内容情報

前途を嘱望される31歳の理論物理学者が忽然と姿を消した。──この謎の事件に哲学者が向き合い、「実在」の新たな問いを提示する!1938年3月26日の夜、イタリア人の若者がパレルモからナポリ行きの郵便船ティレニア号に乗船したあと、忽然と姿を消した──。
その名は、エットレ・マヨラナ(1906年8月5日生)。1929年、エンリーコ・フェルミの主査のもとでローマ大学に提出した論文で学位を取得し、1933年には陽子と中性子のあいだに両者を原子核に結合する何らかの力が働いているという仮説を提示した、新進気鋭の理論物理学者である。彼の名は、その仮説に基づく「マヨラナ型核力」の名称で今日も知られており、失踪した当時はナポリ大学に新設された理論物理学講座の教授に31歳の若さで就任した直後だった。
順風満帆に見える人生を歩んでいるように見えたマヨラナは、なぜ失踪したのか? 自殺、修道院への隠遁、南米への亡命などなど、さまざまな説が唱えられたが、今日に至るまで真相は明らかになっていない。
本書は、哲学界の重鎮アガンベンが、この事件を取り上げ、マヨラナが姿を消した理由、姿を消さなければならなかった理由を、原子物理学の現状と行く末にマヨラナが抱いていた危惧を背景にして追求する。
マヨラナの論文「物理学と社会科学における統計的法則の価値」を手がかりにして、アガンベンは失踪の原因が「不安」や「恐怖」といった心理に還元されるべきものではなく、《科学は、もはや実在界を認識しようとはしておらず──社会科学における統計学と同様──実在界に介入してそれを統治することだけをめざしている》という認識にマヨラナが至ったことと関係している、という地点に到達する。その果てに見出されるのは、「実在とは何か」という問いを放つにはどうすればよいか、ということにほかならなかった。
古今の文献の渉猟とともに綴られる本書は、「確率」という大問題を巻き込みながら、ゆるやかな足取りで歩む旅の記録のごとき印象を与える。第一級の思想史家・哲学史家であるアガンベンにしかなしえない「実在」をめぐる問い!

*マヨラナの論文「物理学と社会科学における統計的法則の価値」のほか、本書で重要な意味をもつ、ジェロラモ・カルダーノ『偶然ゲームについての書』の本邦初となる全訳を併載。

実在とは何か──マヨラナの失踪
エットレ・マヨラナ「物理学と社会科学における統計的法則の価値」
ジェロラモ・カルダーノ『偶然ゲームについての書』
訳者解説
訳者あとがき


ジョルジョ・アガンベン[ジョルジョ アガンベン]
著・文・その他

上村 忠男[ウエムラ タダオ]
翻訳

内容説明

一九三八年三月二六日、イタリアの若き理論物理学者が郵便船ティレニア号に乗船したあと、忽然と姿を消した―。当時三一歳だったエットレ・マヨラナは、順風満帆に見える時期に、なぜ失踪したのか?今日に至るまで真相が明らかになっていないこの事件を思想界の重鎮アガンベンが追求していくスリリングな旅。物理学と社会科学のあいだで「確率」という問題に逢着し、「実在」とは何かを示すための方法を突きとめるとき、謎の失踪事件に驚愕の回答が提示される!

目次

実在とは何か―マヨラナの失踪
付録(エットレ・マヨラナ「物理学と社会科学における統計的法則の価値」;ジェロラモ・カルダーノ『偶然ゲームについての書』)

著者等紹介

アガンベン,ジョルジョ[アガンベン,ジョルジョ] [Agamben,Giorgio]
1942年生まれ。哲学者。マチェラータ大学、ヴェローナ大学、ヴェネツィア建築大学などで教え、現在はズヴィッツェラ・イタリアーナ大学メンドリジオ建築アカデミーで教鞭をとる

上村忠男[ウエムラタダオ]
1941年生まれ。東京大学大学院社会学研究科修士課程修了。東京外国語大学名誉教授。専門は、学問論・思想史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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galoisbaobab

10
現代物理学のWHYなんて問いは無意味、HOWにしか意味はない(ってことが実験でわかった)って言い草はアリストテレス的世界観に凝り固まった西洋人には衝撃的だったんだろうね。”観測するまで不定であること”かつ”観測する実在によってしか実在が顕現しない”という面白いことがわかった時代に「明らかに失踪したという痕跡を残すことにより『実在とは何か』を問い続ける」ために失踪するめんどくさい物理学者の存在が必要なの?と東洋人たるボクの感想。2018/11/04

EnJoeToh

5
アガンベンのEPR論文の理解は変。2018/07/30

geromichi

4
天才物理学者マヨラナの失踪事件をテーマにしたアガンベンの著書。量子力学に関する考察でもあります。果たしてアガンベンが導き出したマヨラナ失踪の真相は?!2020/04/08

∃.狂茶党

3
イタリアの哲学者の短いながら切れ味鋭いエッセイ(多分思いつきの域を出ない) 問題意識についてかめるかどうかで、理解しやすさが大きく変わりますが(これ自体は誤読や偏見を増幅させることもあるので特に良いことではない)哲学に躓きがちな、そもそも問題が把握しづらいってのはないです。 マヨナラの文章も、同じく。 問題は翻訳者が追加した、カルダーノ(の確率論についての古典的文章です。 この文章を追加した事情は、翻訳者が解説していて、それ自体はわかるんですが、この文章の細かな読み解きが別に必要なのではないかと思います。2021/10/09

渡邊利道

3
天才と称された物理学者マヨラナの失踪を、量子力学の構想が確率論的な世界観をもたらして古典的な決定論的世界を破壊することの意味を問うものだったとする。マヨラナ、カルダーのの論文を付し、本文ではそれにパルカル=フェルマーの確率計算に関する書簡、アリストテレスの確率論などを取り上げて論じる。「科学はもはや実在界を認識しようとはしておらず、実在界に介入してそれを統治することだけを目指している」という言明が示されるが、ハッキングの『表現と介入』を逆説的に思い出さずにはいられない。2018/11/10

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