出版社内容情報
日本近代文学;;自由民権;社会主義;叛骨;ジャーナリズム;老荘思想;発禁;北清事変;貧困;津山;内村鑑三;幸徳秋水;筆禍;土佐;;;;;
内容説明
著作のほとんどが発禁となったことで知られる叛骨の思想家。思わぬ病を得て歩行の自由を失い、余命の長からぬことを悟った彼が「生きながらの屍の上に自ら撰せる一種の墓誌」とすべく語る生い立ちは、まさに「数奇」というほかはない。幼少期に目にした土佐の民権運動、大阪や東京での勉学の日々、作州津山での灼熱の恋と別れ、ジャーナリズムの夜明けから大陸への渡航へ、従軍、筆禍での下獄…。近代日本人の自叙伝中の白眉。
目次
すなわち凡人伝なり
記憶に遺れる幼時
臆病なりし少時
無言無形の伴侶
自由民権論の感化
郷関を出づ
病蓐の五年
水産伝習生
初恋
平凡な学校生活
銷魂記
自業自得の落魄
滬上の一年
従軍
始めて家あり
獄に下る
生のひこばえ
死の滅び
戦争と新聞
天鼓乱打
姑蘇の二年
病の衰え
足のなえ
痾を養う
終に病む
著者等紹介
田岡嶺雲[タオカレイウン]
1870・11・21~1912・9・7。明治時代の評論家、漢学者、ジャーナリスト。本名佐代治、別に栩々生と号す。土佐国(高知県)生まれ。若くして自由民権運動の影響を受け、文学に親しむ。水産伝習所を経て、帝国大学文科大学漢学科選科卒業。投書雑誌『青年文』を主宰し、樋口一葉や泉鏡花を早くから評価。教員を経て『萬朝報』『中国民報』などの記者や主筆をつとめ、幸徳秋水らとまじわる。北清事変に記者として従軍、反戦的記事に健筆をふるう。また、雑誌『天鼓』などで反資本主義、女性解放をとなえた。社会主義的評論の先駆者であり、著作のほとんどが発禁となったことで知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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hasegawa noboru
刳森伸一