内容説明
裏声のことをイタリアではファルセットというが、これは「偽りの」とか「不正直な」という意味をもつファルソを語源としている。そのせいか、「嘘っぽい声」とか「真実でない声」といった芳しくない印象をもたれるが、じつは裏声には実生活に役立つさまざまな効能がある。カラオケ上達、話術改善といったわかりやすいものもあるが、健康増進、ストレス解消、さらには恋愛、セックスまでがうまくいくようになる、という知られざる効能もある。「幸福に効く」裏声の不思議に迫る。
目次
第1章 「裏声の幸福」恋愛編
第2章 「裏声の幸福」話術改善編
第3章 「裏声の幸福」ストレス解消編
第4章 「裏声の幸福」健康編
第5章 「裏声の幸福」歌唱上達編
第6章 「裏声の幸福」音育編
著者等紹介
高牧康[タカマキヤスシ]
1959年、岐阜県生まれ。国立音楽大学声学科卒業。信州大学教育学部研究生として生理的アプローチからの発声指導法を研究し、それをもとにした音痴矯正、吃音矯正、プレゼンテーション技法としての発声術などの指導にあたる。BCA教育研究所主宰、教育音楽学会理事、日本声楽発声学会会員。アミーチ・デル・ベルカント・ディ東京顧問。アンサンブル・ベル音楽監督(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Naota_t
3
#2023/★3.1/「裏声」を科学的な側面から検証する内容。偶然にも「カストラート」などは『オペラと歌舞伎』(永竹由幸)で読んだ内容が参考となって理解が進んだ。本書の性質は『不倫』(中野信子)に近い。裏声ではないが、ライブで男性は「ウォー」に対し、女性は「キャー」なのは、筆者が述べる人類新科学的な「裏声」の進化と同じ原理なのかな、と思った。全体は「裏声」をベースとしながらも、取り扱う内容が広いため、若干とっ散らかった印象。筆者は「音痴矯正」を業としていることから、その部分をさらに掘り下げてほしかった。2023/10/30
ポルポ・ウィズ・バナナ
1
裏声の効用はさておき人類学的観点においての裏声考察は興味深い。アエギ声。(真偽のほどはわからないが)生活環境による声の高低差2012/08/29
felix_kiyu
1
第1章と第2章は日常生活にも役立つであろう。ただ、後半にいくにしたがって、若干理論が飛躍している感がある。裏声教育がよりよい社会を築くのに重要であるとまで言ってしまっていいものか。One of themにはなり得るとしても。2009/01/27
ぽたろう
0
セックスレスやストレス、コミュニケーション不足が裏声で万事解決だそうです……。2011/08/08
銀木犀
0
裏声のさまざまな効用について書いてある。エロスといっても性的な方面だけの話ではないので、このタイトルはどうかなと思う。個人的には、著者の本業の話である、裏声を鍛えることで音域の低い方にも広げるようトレーニングする方法や、音痴の強制に裏声が役立つという話などが気になった。2009/04/12