集英社新書
バクチと自治体

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  • サイズ 新書判/ページ数 205p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784087204957
  • NDC分類 788
  • Cコード C0276

内容説明

地方競馬、競輪、競艇、オートレースを総称して「公営ギャンブル」と呼ぶ。それらは、敗戦後の地方財政復興の財源として編み出された大発明だった。自治体自らが“胴元”となる公営ギャンブルは庶民の娯楽として定着し、多額の収益をもたらした。だが高度成長以降、社会からの「逆風」にさらされ、さらにバブル崩壊後の急速な売上減によって、「現在では、税金によって救済されるという逆の立場に変わってしまった」。公営ギャンブルという視点から戦後日本社会の活力と矛盾を描き出す、ユニークな社会史。

目次

第1章 競馬場が消えた(消えた集落;廃止に歯止めがかからない ほか)
第2章 戦後復興と公営ギャンブルの誕生(戦前の競馬事情;戦後すぐに行われたヤミ競馬 ほか)
第3章 猛烈な逆風(急速に広まった“ひずみ”;鳴尾事件の発生 ほか)
第4章 東京都の撤退(都以外の自治体が行った都内の公営ギャンブル;「ギャンブル都市」となった東京 ほか)
第5章 公営ギャンブルはどこへ行く(明暗を分けた中央競馬と公営ギャンブル;「ギャンブル=悪」という罪悪感 ほか)

著者等紹介

三好円[ミヨシマドカ]
1952年、東京都生まれ。東京造形大学映像専攻卒業。編集プロダクションを経て独立後、フリーランスの編集者・ライターとして活動。数多くの年史・社史等の執筆に携わる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

kenitirokikuti

9
半年前にブックオフで買って読んだが、このたび船橋競馬場と取手競輪場に足を運んだうえで再読した。「ウマ娘」は主に80年代以降の中央競馬(JRA)に取材した物語で、少々地方競馬も扱っているものの、競輪・競艇などは当然入らないので、公営ギャンブルの全体像をつかむことはできないなぁ。図書館で『競輪六十年史』を借りた。刊行年は本書と同じ、2009年。2022/11/25

てくてく

7
戦後の復興を一時期確かに担っていた競馬をはじめとするバクチと自治体の関係などをまとめたもの。競馬、競輪、競艇、オートレースのファンも高齢化しており、赤字覚悟でさらに数を減らす必要があることを再確認した。2018/08/04

midnightbluesky

4
船橋オートが来年廃止になるとのニュースが…。自治体が運営していながら、それを隠しつつ、でも地方財政に貢献させたい。本音と建前で成り立っているのか…。2014/08/05

takizawa

3
公営ギャンブル(地方競馬、競輪、競艇、オートレース)の歴史、問題点について解説した本。地方自治体が主催する公営ギャンブルの本来の目的は①戦後の市街地復興、②地方財政の立て直しにあった。確かに一時は地方自治体の収益に寄与していたが現在では収益が激減し撤退する自治体が相次ぐ。事業から撤退する際の補償問題や撤退のタイミングに関する記述は、公営ギャンブルに限らず参考になる。2013/08/10

naka-m

3
黒歴史含めて知らないことも多くて面白かった。公営競技の行く末が心配で夜も眠れない人とかは読んだらいいと思います!2009/11/19

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