徳の政治―小説フランス革命〈11〉

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  • サイズ B6判/ページ数 395p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784087715170
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0093

出版社内容情報

サン・ジュストら腹心を抱えたロベスピエールの独裁色はますます強まり、対抗する大物政治家のエベールやダントンも断頭台に送られる。そんな中、ロベスピエールの秘めた恋の行方は? 革命末期を活写!

内容説明

エベールにつづき、デムーランとダントンも絶対絶命。独裁者の秘めた恋情。サン・ジュストの暗躍。ロベスピエール権力の頂点へ。

著者等紹介

佐藤賢一[サトウケンイチ]
1968年山形県鶴岡市生まれ。山形大学卒業後、東北大学大学院で西洋史学を専攻。93年『ジャガーになった男』で第6回小説すばる新人賞、99年『王妃の離婚』で第121回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

遥かなる想い

161
本巻では恐怖政治末期の 政治力学を描く。 若きナポレオンが少し 出てくるのがなぜか、 おかしい。 ロベスピエール独裁から 徳の政治はおこなわれるのか?かつての同志たちが、 次々と死刑になるなかで、 ロベスピエールはどうなるのか? 始まりとは違う、哀しい革命の 終焉を予感させる巻だった。 2015/03/15

優希

48
物語最大の山場ですね。遂にエベール、デムーランとダントンが断頭台へ送られます。サン・ジュストらの腹心を抱えたロペスピエールの独裁色もますます強まっていき、恐怖政治も強まっていったと言えるでしょう。戦争で罪を作り上げて次々と断頭台送りを繰り返すのは果たして幸せと言えるのでしょうか。ロペスピエールが純粋になればなるほど不幸への道が開かれているとしか言えません。皆がロペスピエールを革命そのものにしてしまったんですね。徳の理想を求めれば暴力が容認される共和政に苦しさを感じずにはいられません。2014/12/03

おさむ

34
ロベスピエールといえば、「恐怖政治」。高校の世界史の丸暗記でこう覚えました。王政が倒れた後の不安定期を、佐藤さんが演劇風(漫談風?)スタイルでドラマチックに描く。次々にギロチンで処刑されていく様は、東宝やくざ映画も真っ青。文字通り血で血を洗う抗争だったんですね。アラブの春を経た北アフリカ諸国でいまも不安定な政情が続くのも、さもありなんと理解できました。2015/10/15

あなほりふくろう

20
サン・ジュストやダントン、デムーラン、または自身を通してロベスピエールの有り様に焦点があてられる第11巻。圧巻の内容ながらそれでも彼への共感を覚えるには至らなかった。なんとなれば、彼はあまりに革命とその背景がもつ現実に対して無垢すぎた。自分の手を汚すことのないままここまで来てしまった清廉の士は自分の幸福を思う暇も許されない程誠実で真っ直ぐで、しかも多くの人が寄りかかるにはあまりにも弱すぎた。「革命がロベスピエールを必要とした」ならばここでみた決裂とこれからおこる悲劇は革命として当然の帰結ということなのか。2013/09/20

星落秋風五丈原

20
ダントンが彼に問う。「ひとを愛するってことは悪なのか。女を愛すること、友情を重んじること、ひとを好きになるということは、革命家には許されざる悪なのか」革命家のロベスピエールはこれらを自分の人生から閉め出すが、そうして残ったもののなかに、彼個人の幸せはない。そんな彼は、権力の頂点に立ったにもかかわらず、彼が断罪するダントンやデムーラン、そして下ネタ爆発のエベールよりも、あろうことか不幸に見える「革命家にとっては、裁き手は歴史だけだ」など、処刑されるのに臆することのないダントンの台詞がカッコイイ。2013/07/22

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