新潮文庫<br> いま私たちが考えるべきこと

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新潮文庫
いま私たちが考えるべきこと

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  • サイズ 文庫判/ページ数 262p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784101054155
  • NDC分類 914.6
  • Cコード C0195

内容説明

“私”は、私を取り巻く社会、学校、家族といった“私たち”の成員なのに、なぜそこに一体感を持ってないのか―。自主性って何だろう。民主主義は達成されているか。国家という概念にピンとこない。個性は伸ばすべきものなのか。そんな疑問の根底には、常に“私”と“私たち”を巡るややこしい問題があった。緻密で複雑な思考の迷路に導かれ、やがてあなたが辿る着くその「答」とは。

目次

「他人」という基準、「自分」という基準
孤独から生まれる恋愛
私が「社会」を考えても、「社会」は私を考えてくれない
うっかりすると間違えそうな考え方
近代と、前近代と
「私たち」というのりしろ
へんな土壌からはへんな木しか生えない
「国家」がピンとこなくなった時代
「私たち」を考える
「他人」はどこら辺に、どのようにしているのか?
「個性」とは哀しいものである
「答がない」という新しさ

著者等紹介

橋本治[ハシモトオサム]
1948(昭和23)年、東京生れ。東京大学文学部国文科卒。イラストレーターを経て、’77年、小説『桃尻娘』を発表。以後、小説・評論・戯曲・エッセイ・古典の現代語訳など、多彩な執筆活動を行う。2002(平成14)年、『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』により小林秀雄賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Bartleby

10
「〝自分のことを考える"が、そのまま〝他人のことを考える"になってしまう」人がいる。「自分で考えろ」と言われると「他の人たちはどう考えるだろう」とシミュレーションして他人が出しそうな結論を「自分の答え」として出す人だ。本書は話を進める足がかりとして、ひとまずそんな人たちを読者に想定している。まさに自分がそのタイプだと思った。シミュレーションモデルになる他人がいないとすぐに途方にくれてしまう。この本のおかげでそうなってしまう理由についてはある程度理解できたけど、自分で考えることの難しさも改めて感じさせられた2011/05/12

shouyi.

6
「まえがき」で諦めず最後まで読み通すと、表題の答えは出ないけれど、いま自分が立っているところがハッキリと見えるようになりました。自分と他人の関係性が私たちと言うことばで説明されています。2022/02/17

13km

4
橋本さんの文章がちょっと苦手なんだけど、内容はすごくためになるというかほーっとうなる話。正直、内容よりも文章のぐるぐるさに頭が持っていかれ気味になってしまって不思議なトリップ感に襲われました。2012/10/09

ひらぱー

4
『子どもが子どもだったころ』と並ぶ今年ベスト2。「おれみたいなやつは他にいない」と書いているのは本音かどうか知らんけど、物事をちゃんと考えられる人間はやっぱりどこかにはいるんだなぁ、と思うとちょっぴり安心する。「個性は傷」論は賛成できんけど、義侠心による恋愛とか前近代vs近代はめちゃ面白かった。2010/04/22

たんたん麺

3
『「全体」から「成員としての自分」を割り出す人たちは、「全体」失うことをが怖い。それこそが恐怖だから、「孤独」にはピンとこない。「倒産」あるいは「リストラ」で、「会社」という「全体」を失った男は、「会社がない」ということに不安と恐怖を感じても、「孤独」ということは実感しない。』上司でいるわ。定年後も使ってもらおうと思って夢中で労働してる。そのくせ、家族から離婚突きつけられてもピンと来ねえで無邪気に部下に話してる。なに仕事に逃げてんだよ。家族と向き合えよ。2017/02/19

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