出版社内容情報
「天下を獲れる男」と豊臣秀吉に評された、戦国時代最強の軍師・黒田官兵衛(如水)。その若き日の波乱万丈の活躍を描く歴史長編。
播州御着城城主・小寺政職の家老・黒田官兵衛(如水)は、織田信長と盟を結ぶため、岐阜へ赴き、羽柴秀吉の知遇を得る。織田家の重臣・荒木村重が、反織田の旗頭・毛利氏に呼応して叛旗を翻す。伊丹城に篭城する村重を翻意させるため、官兵衛は、単身、敵地に向かうが……。「天下を獲れる男」と秀吉に評された天才軍師の波瀾の生涯。
内容説明
「天下を獲れる男」と豊臣秀吉に評された天才軍師・黒田官兵衛(如水)。播州御着城城主・小寺政職の家老・黒田官兵衛は、織田信長と盟を結ぶため、岐阜へ赴き、秀吉の知遇を得る。織田家の重臣・荒木村重が、反織田の旗頭・毛利氏に呼応して叛旗を翻した。伊丹城に篭城する村重を翻意させるため、官兵衛は、単身、敵地に向かうが…。天下無双の軍師・黒田官兵衛の半生を描く歴史小説。
著者等紹介
吉川英治[ヨシカワエイジ]
1892‐1962。神奈川県生まれ。船具工、記者などさまざまな職業を経て作家活動に入る。国民文学作家と親しまれ、1960(昭和35)年文化勲章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とん大西
114
黒田官兵衛がともかく好きです。鋭敏な知と野暮ったい情。「播磨灘物語」を読んで以来、官兵衛には愛嬌のある知略家のイメージをもっていましたが、本作の官兵衛はその青年期を切り取ったもの。より若く瑞々しい官兵衛、その躍動の様が見事でした。見逃せないのが伊丹城幽閉と脱出。絶望と希望、虚無と達観。身体だけでなく精神も蝕まれそうな境遇を耐え忍んだ官兵衛。その不屈の魂にあらためて感服。牢の官兵衛に一片の望を与えた藤の花にもまた、心癒されるかのよう。で…得難き友・竹中半兵衛の臨終の言葉も…なんとも心憎くて男前なのです。2020/02/18
takaC
74
数学ガールズから戦国武将という脈絡の無い読書だがどちらも読書を堪能できる題材だね。2019/03/18
ケイ
69
主君小寺に織田に従くことを説き信長に謁見しに行った30歳から、荒木城の幽閉から救い出され三木城を落とし自らが大名となった36歳までが描かれる。吉川版官兵衛は、司馬遼太郎や現在の大河の官兵衛より、跳ねっ返りで生意気なところがある。それに対し、もう一人の軍師半兵衛の落ち着きぶりが鮮やかだ。後半は荒木城での幽閉、その時の半兵衛の尽力、善吉や他の官兵衛に仕える者達との心の絆の描写に筆が割かれている。冒頭での生意気な官兵衛は影をひそめ、終盤には長く厳しい幽閉生活を乗り越えた末に至った人間の大きさがよくわかる。2014/06/22
優希
41
大河ドラマが軍師官兵衛なので読んだのですが、この作品は官兵衛の生涯のうちのごく一部なんですね。作品の大きな核となっているのは荒木村重によって監獄されていたエピソードなので、期待していたほど波乱の戦国が描かれてはいませんでした。それでも官兵衛が後に戦国最強の軍師として活躍する予期はできましたし、何と言っても忠義の精神が凄いです。どんな状況にも屈しない義の半生がかっこよかったです。この後起きる本能寺の変なども交えて、いつかきちんと黒田官兵衛の物語を読んでみようと思いました。2014/07/24
万葉語り
39
大河ドラマは見ていないが、どんな人だったかくらいは知りたくて読んでみた。たぶん後半生が華々しいのであって、続きを読めば武将としての素晴らしさがわかるのだと思う。この話で彼は、小寺家に仕えており毛利より信長に将来性を見出したことで主君にも裏切られ、伊丹の城に幽閉されてしまう。絶望の中でも、生きること筋を通すことをあきらめない人間性が素晴らしいと思った。助けられた後で、信長に再会する場面が好きだった。2014/12/07