新潮文庫
黙約〈上〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 489p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784102201213
  • NDC分類 933
  • Cコード C0197

内容説明

緑の蔦に覆われた大学の古い建物、深い霧に包まれる森。東部ヴァーモント州の大学に編入した主人公リチャードは、衒学的なモロー教授のもとで古代ギリシアの世界に耽溺する学生五人と知り合う。そしてある夜、バッコス祭の神秘を再現する熱狂の中で凄惨な事件が起こった。美と恐怖と狂気が彼らを駆り立てる―『罪と罰』を彷彿とさせる傑作長編小説!

著者等紹介

タート,ドナ[タート,ドナ] [Tartt,Donna]
アメリカ・ミシシッピ州グリーンウッド生れの女性作家。1992年、28歳の時に“The Secret History”で彗星のようにデビュー、全米ベストセラーとなった。’14年には“The Goldfinch”(邦題『ゴールドフィンチ』)がピュリッツァー賞小説部門を受賞し、世界的に注目を集めている

吉浦澄子[ヨシウラスミコ]
1947年東京生れ。津田塾大学卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

キムチ27

46
何でも村上氏が解説している・・とかで話題?私は全然関係なくいつもの様に何かの繋がりで読む。が、結構面白く、あっという間に下巻へ。お初の著者・・検索すると1992年執筆するもあっという間に全米のベストセラー・・むべなるかな。といえども寡作らしいのでいよいよそそられる。舞台はアンティークな大学・・かくして教授も骨董的。語り手のリチャードと仲間。の学生5人。のっけから殺人の現場で行きつ戻りつエピソードを挟む。ギリシャ古典を根底に置くせいか知的なやり取りそして高尚な人間関係の機微。次第に病んでいくみんなの神経・・2017/10/17

田中

26
冒頭の「プロローグ」が、結末だった。なぜ、こんなことが起きたのか?さかのぼって、最初からの動きが第一部(上巻)の物語。でも、最後まで読むと、再び冒頭にもどり把握することになった。リチャードの眼前に映ったことを重ねあわせて読むことになるだろう。そうすると彼の疑念や違和感に同じように共鳴するのだ。ギリシャ語クラスメイトとの特異な関係性、そして難解な古代ギリシャ詩編や哲学が背景だ。仲間たちのまともじゃない動向をかいまみると、隠したいものが潜んでいる気配。構成の妙と巧みなストーリーからくる意外性が面白い。2020/11/12

panam1927

26
★★★★☆2017/08/04

わたなべよしお

25
 何と言えばよいのだろう。これが第1作であることを考えると、褒めるしかない。ただ、まだ、一語一句、一行一行の密度はさほど高くない。まだ何となく緩い部分がたくさんある。でも、軽々と読者を引っ張っていく。その力は確かなものだ。2017/08/07

かえる

19
長らく積読していた。ミステリー小説だけれど、初めに結末が明かされている。まず、その点に安心する。主人公リチャードが学生時代を回想する形で物語が進むが、リチャード除く彼ら5人の学生はジュリアン教授に刺激を受けたのか、ある事件が起きてしまう。大学生らしい生活を送りながらもどこかおかしくなってくる。古代ギリシャとアメリカを混合したような文学的なミステリーでやや冗長なところはあるにせよ、中立的存在のリチャードのお陰でそれぞれの学生の性格特徴が際立っているので、時間はかかるが面白いので下巻へ。村上春樹お薦め本。2020/02/19

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