新潮選書
作家と戦争―城山三郎と吉村昭

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  • サイズ B6判/ページ数 396p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784106036446
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0395

内容説明

海軍体験と特攻への思いから『大義の末』『落日燃ゆ』『指揮官たちの特攻』を書き上げた城山三郎と、東京大空襲で下町界隈を逃げまどった経験を持ち、『零式戦闘機』『戦艦武蔵』『総員起シ』などの記録文学を残した吉村昭。一級上は戦場送り、一年下は学童疎開という「末期戦中派」にあたる二人の原点・小説世界・作家生活を、担当編集者の視点で描く文学評伝。

目次

第1部 城山三郎の戦争(『大義』に生きて;城山三郎の小説世界;茅ヶ崎での作家生活;城山三郎と特攻;平和への願い)
城山さんと吉村さん
第2部 吉村昭の昭和(芥川賞との闘い;文学修業の時代;新たな挑戦;記録文学としての戦史小説;吉村昭の小説世界)

著者等紹介

森史朗[モリシロウ]
本名・中井勝。戦史研究家。1941年大阪市生まれ。慶應大学法学部政治学科(専攻・国際関係論)卒業。1965年文藝春秋に入社。「別册文藝春秋」「オール讀物」「文藝春秋」編集長を歴任し、取締役編集担当となり、2002年退社(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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まると

15
ぎりぎり戦場に行っていない昭和2年生まれの末期戦中派2人の評伝。ともに好きな作家(というほど読めていないが)なので、「戦争体験」がどのように作品に反映されていったのか、興味深く読んだ。著者は元編集者だけに、創作秘話がふんだんに盛り込まれている。ともに傑作を生む陰に妻の愛情と理解があったというのが印象的。特に吉村さんは自身が何度も選に漏れた芥川賞を妻が受賞。「ひも」のような状態になって夫婦関係も冷え冷えとする中、太宰賞受賞で一転、ようやく人気作家として地歩を固めるくだりは「ああよかった」と拍手したくなった。2020/08/24

金吾

13
吉村昭さん、城山三郎さん共に大好きな作家であり、また森さんの本も何度か読んでいるので期待値が高かったです。著作の説明が主でありますが、裏話もあり良かったです。2020/08/29

mondo

11
著者の森は、吉村昭の文藝春秋の担当編集者だったので、生い立ちや小説家としての吉村昭を知り尽くしている。ページをめくる度に吉村昭の未読の作品に読書欲を掻き立ててくれる一冊となっている。その一つが「総員起シ」である。作家と戦争では、城山三郎と吉村昭が同期であるが故に、生い立ちは異なるものの、戦争に対する意識や小説家としての向き合い方に共通しているものを感じる。戦争に対して小説がどうあるべきかを見事に言い当てていると思った。もう一度、吉村昭を味わいたい人にオススメです。2016/10/23

鐵太郎

9
城山三郎と吉村昭という二人の昭和二年生まれの作家の、戦争を絡めた人生と著作への心を描いたもの。戦争に絡む小説で有名になった二人ですが、その流れは微妙に異なっていたそうな。それが作風にどう現れたのか。綿密な取材をして物語を構築していく姿に共感はもてたのですが、彼らが最初に目指した純文学とやらは、いまだに理解も共感もできないオイラであります。無学だなぁ。(笑)2016/08/04

takao

5
ふむ2023/12/06

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