出版社内容情報
日本史上、最も際立つ存在でありながら、内面の思考や性格がほとんど見えない明治天皇。碩学が、誰も書かなかったその人物像に迫る。
内容説明
日本史上、最も際立つ存在でありながら、肉声の伝わかってこなかった天皇―。開国、倒幕、近代化と激変する国家にあって明治天皇が果たした役割を、冷静に追究した画期的評伝。
目次
孝明天皇
祐宮誕生
ついに開港へ
タウンゼント・ハリスの要求
結ばれた不平等条約、天皇は譲位を表明
睦仁の学問
皇女和宮
天皇と将軍の「逆転」、公家の血気
蛤御門の変
条約勅許問題と将軍家茂の死〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ブルーツ・リー
4
ドナルドキーン先生が本格的に評伝に挑んだ人物は、明治天皇だった。ドナルドキーン先生の場合、外国人なのに日本の古文を読解できて凄い!というような批評は却って無礼に当たると思うので、内容について述べる。 明治天皇の幼少期から青年期にかけての評伝なのだが、相手が天皇だという事もあって、一次資料をどこまで信用していいのか、という面がある。 天皇の事であるから、周囲の人間が、悪し様な一次資料を残す事は考えづらく、ポジティヴな資料に偏った文献から評伝を書かねばならず、プラスのバイアスがかかった評伝になってはいまいか。2020/10/01