中公新書<br> 排出取引―環境と発展を守る経済システムとは

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中公新書
排出取引―環境と発展を守る経済システムとは

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  • サイズ 新書判/ページ数 276p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020161
  • NDC分類 519.13
  • Cコード C1233

出版社内容情報

排出取引制度の導入によって、より効率の良い二酸化炭素の削減が実現できる。その仕組み、各国の制度、課題と今後の展望を詳述する。

内容説明

人類最大の環境汚染=地球温暖化問題。その影響は世代を超え、全世界の生態系に及ぶ。だが、各国ごとの規制や技術開発といった旧来の手法だけでは、このグローバルな環境問題は解決できない。温暖化ガス排出を抑え地球の大気という公共的資源を守りつつ、地域や各国経済の発展を図るにはどうすべきか。近年誕生した「排出取引制度」の歴史と理論、主要諸国で導入が進む制度を紹介し、今後の展望と日本の取るべき道について述べる。

目次

環境問題と排出取引制度
排出取引制度の誕生
排出取引制度の進化
地球温暖化と京都議定書
EUの排出取引制度
米国の排出取引制度
日本の排出取引制度
経験からの教訓

著者等紹介

天野明弘[アマノアキヒロ]
1934年、大阪府生まれ。1956年、神戸大学経営学部卒業、58年、同大学大学院経営学研究科修士課程修了。神戸大学経営学部教授、関西学院大学総合政策学部教授、財団法人地球環境戦略研究機関関西研究センター所長、兵庫県立大学副学長などを歴任。神戸大学・関西学院大学・兵庫県立大学名誉教授。専攻、国際経済学、環境経済学、Ph.D.(経済学、ロチェスター大学)。経済学博士(大阪大学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Hiroki Nishiyama

8
これからは人間の活動を抑制していかなければならないのでしょうか。経済学では、常に人々が合理的な活動を選択していけば、人間社会は良くなって行くものだということを信じてきました。経済学を齧っていない方でもそう考えるのは簡単です。しかし、現代はそれは必ずしも正義ではないのです。確かに、そういった信念を突き通してきたからこそ、今日の私たちの便利な社会が存在するのですから、否定はしてはならないと思います。しかし、これからの経済学は、価値観の変容を求められています。コメントへ続く。2012/07/24

砂の中のぴぃたぁ

2
経済活動になるべく影響を及ぼさないように、温室効果ガス排出量を削減するにはどうすれば良いのか。その方法の一つとして排出取引が挙げられ、内容、歴史、各国の使用例、そして日本での使い道が丁寧に書かれている。はじめは排気量を減らさなくてもアラウアンスを新しく入手すれば良いというシステムに疑問を感じていたが、費用の面、そしてグローバルな目線で見れば最善の策であると納得できた。日本が排出取引に関して欧米諸国に遅れをとっている事実に驚き、政府はしっかりこの問題に取り組んで欲しいと思った。2015/01/08

a._v._e

2
★★★☆☆新書という体裁だが,実に丹念に排出取引について調べ上げている.それだけでなく,周辺の環境政策などにも言及していたり,巻末に索引がついていたりと関心のある人には持っていて損はない価値ある新書だ.2009/10/21

BIDDULPH

1
排出権取引には環境を汚染する権利というニュアンスがある。排出量取引は量と枠の意味の取り違え(by環境省)。アラウアンスを取引するのであって枠や量を、ましてや環境を汚染する権利を取引するものではない、ということが明確に示されている。NHKも「排出権取引」という間違った日本語を無責任に言い放つのはやめなければいけない。2010/12/28

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