中公新書<br> 社会とは何か―システムからプロセスへ

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中公新書
社会とは何か―システムからプロセスへ

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  • サイズ 新書判/ページ数 230p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020376
  • NDC分類 361
  • Cコード C1236

内容説明

「社会」という語は、どのような意味や役割を担わされてきたのか。十七世紀以降のヨーロッパで、それは初め、統治や富の増大を目的に国家が介入する空間として認識された。後に、貧困・暴力・不衛生など、「社会的な」問題が拡大し、それに対処するための対象となった。社会を複数の要素からなる複合的なものとしたのはスピノザである。人が他者とともにより良き生を築くための場という彼の構想に、社会の可能性を読む。

目次

はじめに
第1章 社会の発明―ホッブズ、スピノザ、ルソー
第2章 社会の発見―統治性と社会問題の出現
第3章 社会の科学の成立―社会主義と社会学
第4章 社会と文化―文化の名による排除から社会統合へ
第5章 社会と共同体―複数性の社会へ
むすび―多にして一を生きる

著者等紹介

竹沢尚一郎[タケザワショウイチロウ]
1951年、福井県生まれ。国立民族学博物館教授。1976年、東京大学文学部卒業。1985年、フランス社会科学高等研究院社会人類学科博士課程修了(民族学博士)。日本学術振興会特別研究員、九州大学文学部助教授、九州大学教授等を経て、現職。社会人類学、宗教学、西アフリカ史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しょうじ@創作「熾火」執筆中。

16
【10/07/17】その都度「問題」として立ち現れてくる「社会」のイメージを、歴史的に展望している。2010/07/17

おせきはん

11
社会とは何かについて歴史を踏まえて解説しています。「文化の共有が国民国家の基礎となったというより、国民国家の建設が文化の共通性を作り出した」と考えると、民族問題の背景を理解しやすくなりました。2018/04/17

msykst

7
まさに副題にあるように、社会を「システム」ではなく「プロセス」として捉える感じです。すっげー大雑把に言うと、「ホッブスとルソーじゃなくてスピノザ」「デュルケムじゃなくてタルド」みたいな感じなのかと。2016/11/18

Mealla0v0

5
社会とは何かを考えるために必要となる社会学批判が本書のプロジェクト。社会という語義の変遷を主にフランスをはじめとしたヨーロッパを念頭に追いながら、社会契約説とその批判、統治性という問題構成、社会学の制度化とその隘路を論じた上で、社会を固定化したシステムではなく、絶えず変化する状況、様々なアクターのせめぎ合う現場=プロセスとして捉えることを提起する。1-3章まではフーコー的な議論が続き、4-5章ではフランスの移民問題と水俣問題が扱われ、社会とコミュニティなどの差異が論じられており、非常に浩瀚な書物である。2021/08/06

Ex libris 毒餃子

4
「社会」というワードについての登場、枠組、変遷、現況をフランスを中心に論を展開したのち、日本へ敷衍して水俣市をモデルケースに拡張している。国民国家体制の登場が「社会」概念の登場となり、社会契約論の必要性発生から「社会」が作られていく過程がダイナミック。2019/09/14

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