中公新書
シナリオ無頼―祭りは終わらない

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  • サイズ 新書判/ページ数 264p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784121020437
  • NDC分類 912.7
  • Cコード C1295

内容説明

「一スジ、二ヌケ、三ドウサ」。スジは脚本、ヌケは画面の美しさ、そしてドウサが役者の演技。脚本の出来が映画の死命を制すことをいった金言である。一〇〇〇本を超える膨大なシナリオを手がけ、実際にメガホンもとった著者が、波乱に富んだ来し方を詩情豊かに綴る。幼少期の京都、少年時代の高知、脚本家として怱忙の日々を送った東京。終戦から今日に至る、人びとの熱く苦渋に満ちた生き様と、業界の裏面史。

目次

第1章 今ひとたびの京都
第2章 四万十川河口―野蛮の襲撃
第3章 東京、渾沌の都
第4章 波乱含みで大河はうねる
第5章 異界への冒険
第6章 父のドラマ、母のドラマ

著者等紹介

中島丈博[ナカジマタケヒロ]
1935年、京都市生まれ。脚本家。45年、高知県幡多郡下田町(現四万十市)に移住。61年、東宝映画『南の風と波』(監督橋本忍)で脚本家となる。日活専属ライターを経て、現在に至る。キネマ旬報脚本賞、毎日映画コンクール脚本賞、芸術選奨文部大臣賞、第八回向田邦子賞受賞、旭日小綬章などを受ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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どんぐり

60
京都で生まれ、少年時代を高知で育ち、脚本家として東京で開花させた中島丈博(1935-)の自叙伝(2010刊)。代表作は、『津軽じょんがら節』、そしてパキの愛称で知られる藤田敏八監督の『赤ちょうちん』、続いて黒木和男監督の『祭りの準備』などがある。シナリオの話はほぼ参考にならず、絵描きの父親、焼身自殺した母親のことが強烈な印象を残して読みえる。1970年代の映画作品とともに、昭和の色が濃い混沌さに満ちた人生ドラマ。2024/06/01

Yuji

8
昭和10年生まれの脚本家が自分の人生を振り返りつつ、作品論、脚本術、裏話、取材の実態などを成り行き任せ(のよう)に語って行く。率直な語りが魅力的。東映、日活ロマンポルノからTVドラマと幅広い。中でもNHK大河ドラマ草燃ゆる、春の波頭とか書いていた方。(オッペケペの川上音二郎 中村雅俊、松坂慶子)→見てましたねリアルタイムで。大河ドラマらしくなくって、奔放でした。なるほどこの人が書いてたのか。2017/02/12

あらま

2
少年時代の話ばっかりで、シナリオの話が始まらないなと、おもったら自伝的内容のシナリオが代表作なんだ。ビッグネームなのは知ってたが、あんまり意識して観たことはなかった作者なんで… (「祭りの準備」は竹下景子が脱いでいたことだけ覚えている。)あんまり、シナリオ論、映画論を語ってるという訳でもないのだが、ところどころ悪口に近い、危ないことも言っていておもしろい。勉強にはなりませんが。2010/03/11

まさやん80

1
シナリオ作家中島丈博さんの自伝。誕生から、戦中の高知中村市への疎開、上京、そしてシナリオ作家へ、その道のりについてのあれやこれやが描かれる。中でも、画家であった父と息子に依存する母に対する確執は、この本の骨格となっている。(「祭りの準備」に母との関係が色濃い) 映画の話よりも血縁の話の方が多いくらいだが、それも中島さんらしい濃さの表出だと思う。2016/07/04

kokada_jnet

1
「赤ちょうちん」の秋吉久美子の「鶏嫌い」は、日活時代の同僚女性脚本家のヘキだったのか。「赤ちょうちん」が深沢七郎の「月のアペニン山」の盗作だという騒動があったのも、知らなかった。雑誌連載をまとめたものだが、完全な自伝ではなくて飛び飛び。もっと枚数を取った完全自伝でも、この著者なら面白かったと思うが。2010/04/27

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