出版社内容情報
宗教改革以降、カトリックは修道院での学術活動を活発化させた。とりわけ教会史や聖人伝等の文書を批判的に検証する学問が進歩を遂げ、偽書を分別する文献学や、ローマ法の解釈学など、現代の歴史学の基礎がここに形成されたのである。その中核となったのが、サン・モール修道会のマビヨンである。彼はデカルトやライプニッツらにどんな影響を与えたのか。宗教と世俗の相剋の間で、歴史と真理を探究した人々の足跡を追う。
内容説明
宗教改革以降、カトリックは修道院での学術活動を活発化させた。人文主義者たちは古典を博捜し、教会史や聖人伝などの文書を批判的に検証する学問が進歩を遂げた。偽書を識別する文献学や文書学、ローマ法の解釈学など、現代の歴史学の基礎がここに形成されたのである。その中核となったのが、サン・モール修道会のマビヨンらであった。啓蒙思想の席巻、宗教と世俗の相剋の間で、歴史と真理を探究した人々の足跡を追う。
目次
第1章 人文主義と宗教論争
第2章 ブールジュ学派の射程―歴史と法学
第3章 サン・モール会の誕生と発展
第4章 ジャン・マビヨンとその時代
第5章 修史事業の展開
第6章 デカルトかライプニッツか
第7章 考証学(エリュデシオン)の挫折
第8章 啓蒙と功利思想の展開と修道制
終章 ヨーロッパ修道制の歴史的意義
著者等紹介
佐藤彰一[サトウショウイチ]
1945年山形県生まれ。1968年、中央大学法学部卒、1976年、早稲田大学大学院博士課程満期退学。名古屋大学教授等を経て、同大学名誉教授。日本学士院会員。『修道院と農民―会計文書から見た中世形成期ロワール地方』により日本学士院賞受賞。2018年、瑞宝重光章受章。専攻・西洋中世史。博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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