NHKさかのぼり日本史 外交篇〈7〉室町“日本国王”と勘合貿易―なぜ、足利将軍家は中華皇帝に「朝貢」したのか

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  • サイズ B6判/ページ数 219p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784140815670
  • NDC分類 210.18
  • Cコード C0321

内容説明

南北朝と戦国の二つの内乱を招きよせた室町期―「勘合」による貿易の成功と失敗が、足利将軍家の運命を決定づけた。

目次

第1章 戦国を招いた貿易利権の分散―逼迫した幕府財政を立て直すため、将軍義政は勘合貿易再開を図る。だが貿易権分散により大名が台頭、時代は乱世へ突入する
第2章 実利を勝ち取る義満の秘策―義満の明史との接見は中華皇帝の臣下になる一方で、莫大な利権をもたらした。義満にとっての「日本国王」とは何だったのか
第3章 日本国王号争奪戦―義満が外交の重要性を認識した発端―それは懐良親王への明使の捕縛だった。当時、幕府は中国とどう向き合ったのか
第4章 時代を開いた天龍寺船―勘合貿易の原点は、元への「寺社造営料唐船」、天龍寺船の派遣にあった。室町幕府の興亡のカギは「対中貿易」が握っていた

著者等紹介

橋本雄[ハシモトユウ]
1972年東京生まれ。東京大学文学部卒業、同大学院人文社会系研究科博士課程修了。九州国立博物館学芸部企画課研究員等を経て、北海道大学大学院文学研究科准教授。文学博士。専門は日本中世史、とくに中世後期の国際関係史・文化交流史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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だまし売りNo

33
当時の日本政府は自ら通貨を発行していなかった。朝廷に通貨を発行する力はなく、幕府も朝廷に代わって通貨を発行するほどの役割はなかった。貨幣を得るためには中国と貿易する必要があった。故に足利義満も勘合貿易を行った。自ら貨幣を発行するようになった江戸幕府が「鎖国」を進めたことも貨幣の面から説明できる。2022/11/06

しゅー

2
★★ 新刊『日本中世への招待』の推薦図書だったので読んでみた。高校時代の日本史で「爾日本国王源道義」と言う言葉に過剰な意味付けをする教師や同級生が多くて、ちと閉口した記憶がある。本書はそんな足利義満像、すなわち、天皇にとってかわる野心家とか、外国の権威に屈する売国奴とか言うイメージを冷静に評価し直す。明使接見儀礼について、出席者や義満の振る舞いから分析する部分がとても興味深い。義満が冷静に明との外交関係を築き、経済的な実利を上げていく姿は再評価すべきだろう。この『さかのぼり日本史』のシリーズは面白そうだ。2020/02/28

ohmi_jin

2
なかなか難しい本だったが、明にとっては貿易=朝貢であり、日本にとっては臣従の体をとってもなおあまりある利益をもたらすものであった。しかし、相手のことを考えない足利義政は大船団を送り込んだことで、かえって貿易を制限されてしまう。これが後期倭寇へ・・こういう流れが分かってよかった。2019/11/09

ぼのまり

2
なぜだろう?室町時代の歴史が自分の頭の中に全くといっていいぐらい無い。その分、足利義満が何度も「朝貢」によって己の立場を固めようとしたことが新鮮に感じられれた。外交というレンズでこの時代を見ると、実は重要な時代だったりするのですね。2013/05/03

時雨

1
呉座勇一『日本中世への招待』での紹介を機に。/NHKの同タイトル番組を再構成した内容で、室町期の対中(元・明)外交における成功と失敗を、8代義政から初代尊氏まで遡りながら読み解くという趣向。勘合貿易といえば『戊子入明記』出典の「割印」の史料が知られているが、割印程度で偽使を防ぐ手立てとして十分かはうっすら疑問に感じていたので、日明貿易の経営構造や3~4倍の収益を見込めた実態など興味深く読んだ。貿易権による経済的・文化的求心力が幕府を財政難から救い、貿易権の切り売りが権威失墜を加速させたとの説明に得心する。2020/10/05

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