NHK出版新書
ケインズはこう言った―迷走日本を古典で斬る

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  • サイズ 新書判/ページ数 229p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784140883860
  • NDC分類 331.74
  • Cコード C0233

内容説明

ケインズなら、日本経済にどのような処方箋を書くか?『貨幣論』『一般理論』など主著のエッセンスを平易に解説し、雇用問題からデフレまでのさまざまな危機にどう対処するかを論じる。「分配」「協力」など現在の経済理論には存在しない要素をいかに加味して、持続可能な社会を構築するかを説く。マルクスやハイエクとの比較もまじえ、現代に生きる古典の可能性を探る刺激的な書。

目次

序章 いま、ケインズから何を学ぶべきか?―マシンとフィロソフィー
第1章 ケインズの目で日本経済を見る
第2章 なぜデフレが起きるのか?―『貨幣論』の教訓
第3章 なぜ「非自発的失業」が存在するのか?―『一般理論』の豊かな可能性
第4章 なぜケインズは誤解されたのか?―ケインズ革命とマネタリスト反革命
第5章 真に自由な社会とは何か?―ハイエクのケインズ批判
第6章 ケインズならば、迷走日本にどのような処方箋を書くか?

著者等紹介

高橋伸彰[タカハシノブアキ]
1953年、北海道生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済研究センター、通産省大臣官房企画室主任研究官、米国ブルッキングス研究所客員研究員などを経て、立命館大学国際関係学部教授。専攻は日本経済論、経済政策(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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猫丸

12
この人も最終的にゼロ成長理論に帰着する。既存の思考習慣から帰結する典型ともいえる結論である。経済学が学になりきれていないことは様々な相矛盾する議論が乱立する様からも明らかだ。理論が現実を顧慮しては始まらないにせよ、経世済民を目標とする以上、現実的効果に目を瞑ることはできない。ここに経済学の悩ましさがある。他のすべてを除いて最悪の資本主義から、まだ見ぬ未来の理想的経済システムを憧憬するのは自由ではあるが、歴史上最良のシステムとしての資本主義を葬るにはまだ早いと思う。病態への漸近とカタストロフを阻止する処方。2020/09/07

孤独な読書人

8
日本経済の問題をどう解決するか。ケインズの考えを噛み砕きながら示す。2017/04/17

手押し戦車

7
総需要の不足よりも労働力を買い叩き雇用者を搾り取る事で利潤を確保しようとして高度成長期による急速なパイの拡大が全員参加型の自発的雇用資本主義を作り出した。一円でも多い利潤をの確保が本音だがグローバル競争が大変だと建前をば盾に可能な限り賃金を削り企業と利害関係者に支持された民主的政府による新自由主義政策で雇用が奴隷化してしまい雇用条件の悪化なくして雇用機会の増加なしになっている。企業利益最大化を自由放任にして人の生活環境を考えなかった結果、格差の拡大となった。経済政策は人を幸せにする事が成果である。2014/12/19

Hiroki Nishizumi

3
参考になった。冒頭の雇用不安解消の提言は同意できるもので大いに惹かれた。ケインズを理解するためには政策より思考に重点を置く解釈は斬新に感じた。新自由主義の居心地の悪さを実感している現代なので、さらに身近にケインズを感じたいと思った。2021/10/05

Francis

3
通俗的なケインズ理論ではなく、「貨幣論」「一般理論」を読み解くことでケインズが本当は何を言いたかったかを探る。アベノミクスが話題となる以前に書かれたにも関わらず、アベノミクス批判に通じる記述があるのは流石と言うべきか。ただ、新書と言うサイズのため、ちょっと詰め込み過ぎという観がなくもない。もっともそれは恐らくケインズの考え方が持っている豊かな可能性ゆえなんだろうけれど。2013/08/08

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