内容説明
格差拡大、自殺者増加、孤独死、幼児虐待などに象徴されるように、いま私たちの社会に多くの暗く重い問題がたちこめている。これらは、主に経済領域に起源を持ちながら、それが徐々に価値や倫理の領域を侵食してきた結果といえよう。グローバリゼーションという現象が、あらゆる境界や制約を越えて、あらゆるモノの売買と投資を推進し、私たちの行動とメンタリティをも変えていったのである―。市場の内部化、資本主義の究極としての自由投資主義など、全く新たな視角から資本主義市場経済を批判的に解明し、そこから決定的な貨幣論が展開される画期的論考。
目次
第1章 グローバリゼーションと市場の内包的深化(心の豊かさと物の豊かさ;コミュニティの衰退とグローバリゼーション ほか)
第2章 社会主義はなぜ不可能なのか、資本主義はなぜ強いのか(資本主義をいかなるものとしてとらえるか;市場社会主義論と一般均衡理論 ほか)
第3章 貨幣と自律分散型市場(貨幣をとらえなおす;貨幣とは何か ほか)
第4章 市場の内部化と資本主義経済の進化(経済理論はどう評価されるか;三つの経済調整方法 ほか)
第5章 コミュニケーション・メディアとしての貨幣(貨幣の本質;貨幣の未来 ほか)
著者等紹介
西部忠[ニシベマコト]
1962年、愛知県生まれ。1986年、東京大学経済学部卒業、1989年、カナダ・ヨーク大学大学院経済学研究科修士課程修了。1993年、東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。北海道大学経済学部助教授、イタリア・シエナ大学客員研究員、イギリス・ケンブリッジ大学客員研究員等を経て、北海道大学大学院経済学研究科・経済学部教授。進化経済学会常任理事。専門は、進化経済学、地域通貨(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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