出版社内容情報
母がモデルの長編「鳳仙花」、『千年の愉楽』より「半蔵の鳥」他収録。欲望と悲しみ・憤りを熊野を舞台に描いた中上健次の小宇宙。
【著者紹介】
1946年和歌山県生まれ。74年『十九歳の地図』でデビュー。76年『岬』で芥川賞、77年『枯木灘』で毎日出版文化賞、芸術選奨新人賞を受賞。他の作品に『千年の愉楽』『地の果て 至上の時』『日輪の翼』等。
内容説明
望まれぬ子として生を享けた美しき少女フサは、十五の春に運命の地へと旅立つ―三部作『岬』『枯木灘』『地の果て至上の時』の前史となる、過酷な運命を力強く奔放に生きた母の物語「鳳仙花」。若死にの宿業を背負う中本一統の荒くれ者達を、路地唯一の産婆オリュウノオバが幻惑的に語る『千年の愉楽』より「半蔵の鳥」「ラプラタ綺譚」。他、虚実のあわいを描いた怪奇譚『熊野集』と神話の源である故郷を活写したルポ『紀州』より五編を収録。作中登場人物系図他、充実の参考資料付。
著者等紹介
中上健次[ナカガミケンジ]
1946~1992。和歌山県新宮市生まれ。新宮高校卒業後上京し、「文藝首都」の同人に。74年、第一作品集である『十九歳の地図』で注目を集め、76年『岬』で戦後生まれとしては初めての芥川賞、『枯木灘』で77年に毎日出版文化賞、78年に芸術選奨新人賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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