出版社内容情報
世界四大宗教の一つ、ユダヤ教。その成立から、数多の迫害と流浪を経て、イスラエル建国に至るまでの歴史を、多数の図版と共に解説。
【著者紹介】
1953年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期退学。現在、東京大学大学院人文社会系研究科教授。著書に『宗教の世界史7 ユダヤ教の歴史』『ユダヤ教の精神構造』など。
内容説明
迫害、流浪、そしてイスラエル建国…成立、教義、聖典から、商人としての活躍、各地での暮らしまで宗教にして民族、ユダヤ教3000年の歴史を解説。ユダヤ教のすべてが分かる決定版。
目次
第1章 ラビ・ユダヤ教までの歩み
第2章 ラビ・ユダヤ教の成立と特徴
第3章 イスラーム社会のユダヤ教
第4章 カバラー
第5章 中近世西欧のユダヤ人ゲットー
第6章 近代国民国家におけるユダヤ教の多様性
第7章 20世紀のユダヤ教―ショアーとアメリカとイスラエル
著者等紹介
市川裕[イチカワヒロシ]
東京大学大学院人文社会系研究科教授。宗教史学、ユダヤ思想、比較法史研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Sato
11
うーん長かった・・1ヶ月近くかぁ・・理解してないけどw薄い本なんだけど濃いというか。 イスラム教、ユダヤ人、キリスト教、ロシアなどなど、ガザ地区やパレスチナなど少しは理解できたかな 2015/06/10
オサム兄ぃ
8
勉強会で編著者の講演を聞き、ユダヤ教の教義が魂の救済のみでなく日常生活の規範を含み、2000年の昔にパレスチナの地を追われて以降「持ち運べる国家」として民族を束ねてきたことを知った。また世界史の授業で教えられる「選民思想」というものの理解が、西欧 = キリスト教の観点を無批判に受け入れたが故に浅薄にとどまっていることを知った。神がユダヤの民を救う理由は、厳しい戒律を守る義務を伴う契約によるのだ。「モーゼの十戒」は良く知られているが、ユダヤ教徒の戒律は、なんと613にものぼるのだという。2016/02/14
讃壽鐵朗
6
図説を多く使っていて、理解しやすい2015/12/23
M
4
18世紀に至るまで異なる文化圏の影響を絶えず受けながらも、少数派としてユダヤ教の思想と生活様式を守り続け、また金融などの特定の職業にしか従事できなかったが故に同胞との連帯や支配者層からの信用を集めることができ、ユダヤ人が定住する地域での課税権を巡って権力争いが頻繁に起きていたが、その政略の裏にもまた宮廷ユダヤ人が暗躍していたこともしばしばあったという。離散を経て、各地域に散らばったユダヤ人は定住した地域に貨幣制度や流通機構をもたらし、社会のインフラを担ってきたが、その目的は現在も変わっていないのだろうか。2020/02/22
Khalid
3
テーマ別ユダヤ教史。巻頭に「これまで光の当てられていなかった側面を意識的に取り上げる」とあるように、イスラーム社会のユダヤ教徒などに触れるなど、ユダヤ教の多様性を紹介する内容になっている点は良い。しかし、近代のパレスチナへの移住について「欧州から見れば荒野同然の地を開墾し・・・」などと表現している点は、パレスチナに住み続けてきたパレスチナの人々を矮小化するものであり、その点は容認できない。2017/07/29