出版社内容情報
満州事変の首謀者にて、『最終戦争論』『戦争史大観』などの著作でも知られる、稀代の戦略家・石原莞爾。中国大陸をメインとした石原の戦略と構想を追う。
内容説明
満州事変の首謀者であり、希代の戦略家として知られる石原莞爾。太平洋戦争に至る戦前の歴史は、石原を抜きには考えられない。戦後七〇年を経て、石原への関心は衰えることなく、伝記をはじめとする出版物は途切れることがない。ところが、石原の戦略構想を分析・検討したものは、ほとんど見当たらない。本書は、石原の戦略構想を時代状況や陸軍の動向と関連づけて詳しく検討、その行動を紹介するものである。戦略なき国家・日本(それは今も変わらない!)にあって、石原は何を考え、何をしようとしたのか―そこには、歴史の教訓が隠されている。
目次
プロローグ 柳条湖事件―石原莞爾登場
第1章 満州事変と石原莞爾(1)―南満州占領と陸軍中央
第2章 満州事変と石原莞爾(2)―北満州進出と陸軍中央
第3章 昭和初期の戦略構想(1)―世界最終戦争論と満蒙領有
第4章 昭和初期の戦略構想(2)―日米持久戦争の想定
第5章 参謀本部時代の戦略構想(1)―対ソ連戦備の問題
第6章 参謀本部時代の戦略構想(2)―対中国政策の転換
第7章 日中戦争と石原莞爾(1)―華北での日中衝突
第8章 日中戦争と石原莞爾(2)―全面戦争と石原の失脚
エピローグ 太平洋戦争―失脚後の石原莞爾
著者等紹介
川田稔[カワダミノル]
日本福祉大学子ども発達学部教授、名古屋大学名誉教授、博士(法学)。1947年、高知県生まれ。1978年、名古屋大学大学院法学研究科博士課程修了。日本福祉大学教授、名古屋大学大学院教授などを経て現職。専門は政治外交史、政治思想史。著書に『昭和陸軍の軌跡』(山本七平賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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