目次
第1章 つくられていく私たちの意識
第2章 メディアと権力の間合いを考える
第3章 大問題が小さく扱われる
第4章 「安全」をめぐる報道の危険
第5章 ヘイトとの向き合い方
第6章 良識ある報道にも注目
著者等紹介
斎藤貴男[サイトウタカオ]
1958年、東京生まれ。ジャーナリスト。早稲田大学商学部卒業。英国・バーミンガム大学大学院修了(国際学MA)。「日本工業新聞」記者、『プレジデント』編集部、『週刊文春』記者を経てフリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アーク
4
中途半端な独裁者アベシンゾーがマスコミやネトウヨによってお山の大将として祭り上げられているか、マスコミ関係者の立場から検証した本書、なかなか興味深かった。マスコミに圧力をかけて操る手段に長けたアベ政権下で日本の報道の自由度は先進国最低レベルの60位以下まで下がっているし、本来権力を監視する立場であるマスコミがいかに権力に擦り寄って利権を得ているか、本書を読んで背筋が寒くなった。大政翼賛会のようになりつつあるマスコミの奢りとアベ政権の姑息さに溜息が出た一冊。2019/09/05
あきこ
2
メディアリテラシーの大切さは知っているつもりだ。知らなくても昨今の報道と政府の面の皮の厚さに違和感を感じることだろう。本書は新聞や雑誌などの報道を軸に事実との比較や出版各社の動向を語ったものである。作者の言う通り、大事なことが報道されなくなっているので、本書で知ったことも多い。また本書のような政権、マスコミ批判に対して、異物扱いにする世間、国民の認識の甘さも絶望的だ。自分で考えて自分で判断、その材料が公平に与えられることを望む。でないと日本は北朝鮮のことを非難できなくなる。2020/01/06
kaya
1
読みごたえ十二分。朝日が左寄りなのは何となくわかってたけれど、他紙の大まかな立ち位置がわかったのは収穫。また、新聞の読み比べは贅沢だしなかなかできないので、実演に加えプロの解説が読めるのは貴重で有り難く感じます。メディアは時の政府を批判するのが仕事だと私は思います。褒めてたら助長するだけだと思うから。メディアによる批判が権力の抑止になり、民主主義が正常に保たれる。そのためにはまず私たちがメディア自体を批判的な目で見ることが大事なのかもしれません。2020/06/28
tecchan
0
標題そのものの内容。近年の政治、マスコミを痛烈に批判。新聞、雑誌、書籍のいわゆる活字媒体の衰退が激しいが、さもありなんと思う。保守系と言われた文芸春秋しかまともに読むものがない総合誌の現状。論壇誌はいずれも廃刊。長年購読していた新聞もその論調についていけずついに購読中止。残念。どうしてこうなってしまったのか。このままではどうなるのか不安だらけ。2023/03/10
ネコ
0
5年前から「全国商工新聞」に連載されているコラムの単行本化。この5年間にいろいろあったことが思い起こされます。長期政権の弊害という言われ方がされますが、第二次安倍政権発足後間もなくから、その体質に警鐘を鳴らす人はいました。ここまで長期政権となることを許してしまったのは、メディアの罪と国民の責任。2020/03/07