出版社内容情報
越智 啓太[オチ ケイタ]
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内容説明
自分と他者、集団の間の多様で複雑な関係を解き明かす。社会心理学の基本的なテーマをおさえつつ、現代を生きる私たちに身近な問題や最新の研究成果を盛り込んだ一冊。50のトピックを各4頁で簡潔かつ丁寧に解説する。様々なトピックから、自分自身のふるまいや、身近な他者や集団との関わり方を振り返るヒントが見えてくる。
目次
1 社会の中の自分と他者(他人の印象はどのように決まるのか;他人をさげすむことで有能感を得る;鏡に映った自分を愛してしまう ほか)
2 自分と他者はどう関わるか(身体の距離は心の距離を反映する;私たちはどうやって親しくなる?;自分にないものをもっている人が好き? ほか)
3 「私たち」と「私」はどう関わるか(集団の発達と衰退、そして再活性化;なぜ人は多数派に合わせてしまうのか;集団に生まれる暗黙のルール ほか)
著者等紹介
越智啓太[オチケイタ]
法政大学文学部教授。元警視庁科学捜査研究所研究員。臨床心理士。専門は犯罪心理学、社会心理学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ようへい
14
生き物の行動の裏には理由や法則が隠されている。人間もまた然り。実際にリアルタイムで直面するとそんな余裕はないかもしれないが、理屈で考えた時の精神的安定感はある意味癒し。アイヒマン実験やスタンフォード監獄実験を始め、数々の実験や理論、仮説がトピック的に紹介されて楽しかった。初期段階の関係進展においては外見的魅力(Stimulus)が重要であり、次いで価値の近さ(Value)、相補的な役割(Role)というプロセスで親密化する(SVR理論)。ただ、やっぱり最後に求めるのは平穏(Peace)じゃないでしょうか。2023/07/31
spatz
9
特に心理学に深い興味はなかった、という人の目にも、今や毎日のように耳にする、例えば、バイアス、という言葉。 本書は、一見教科書のような体裁に見えるのだが、専門的でありながら、読みやすく構成されている。 社会心理学、の考え方、日々起こるさまざまな現象を、人間の行動をさまざまな側面から読み解き分析していく。コロナ禍の影響もあり、ここ数年で大きく様変わりしたような感がある世界情勢や人間同士の関わり。 これからも研究が深まっていく興味深い分野なのだと感じられた。 #NetGalleyJP (Wishに当選)2022/12/07