内容説明
自由民権運動と明治天皇に対する思い、『こゝろ』という作品で世に問いかけたこと、病床で起きた「大逆」事件に触れなかった理由、文学博士号の学位を拒んだ意味…。漱石が生きた明治を振り返り、彼の心の中にあった願いを見つめる。
目次
第1章 明治十四年の夏目漱石(実母の死、鳴動する時代;自由民権運動のただ中で ほか)
第2章 漱石と『こゝろ』の世界(“「奥さん」‐と‐共に‐生きる”の衝撃;「御嬢さん」ではなく「静」として ほか)
第3章 明治四十三年の夏目漱石(修善寺の大患と「大逆」事件;啄木―テロリストの悲しき心 ほか)
第4章 たたかう夏目漱石(博士の学位を頂きたくないのであります;漱石は「王」に屈服したか ほか)
著者等紹介
小宮洋[コミヤヒロシ]
1943年福岡県大牟田市の生まれ。福岡教育大卒。大学卒業後、福岡県内の高校で国語教師を勤める。退職後は高卒認定試験を受ける刑務所の受刑者のために、月2回国語(古典)の授業を担当している。他方、福岡県高等学校国語部会(福岡地区)の研究誌『つくし野』に、漱石関連の文章を発表してきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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