ちくま新書
ルポ 産科医療崩壊

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  • サイズ 新書判/ページ数 221p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784480064967
  • NDC分類 495.5
  • Cコード C0247

内容説明

産科医が自らを語るのに使う枕詞がある。絶滅危惧種―。保護してももう手遅れ、産科医が日本から消えるのを止めることはできない、という自嘲の言葉だ。医師も産める場所も激減した背後でお産難民や妊婦“たらい回し”などが急増している。そして、激務に喘ぐ新生児科。少子化の危機が叫ばれるいま、周産期医療の現場では、何が起こっているのか。これから産み、育てる私たちはいったい何ができるのか。

目次

プロローグ 周産期医療の現実
第1章 産み場所はなぜ消えるのか
第2章 増える「危うい」妊娠
第3章 増える「困った」妊婦
第4章 逃げ出す医師たち
第5章 被災地・NICU
第6章 助産師は時代の救世主か?
第7章 安心して産むために
エピローグ 絶滅危惧種

著者等紹介

軸丸靖子[ジクマルヤスコ]
宮崎県出身。医療ライター。2004年5月、米コロンビア大学公衆衛生大学院修士課程修了。帰国後は医学・医療全般に関する取材・編集活動を続けている。日本医師会総合政策研究機構研究員、医学週刊誌「Medical Tribune」編集部、インターネットニュース「OhmyNews」編集部を経てフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おらひらお

2
2009年初版。出産とは、母子ともに危険な状態に陥る可能性もある一大イベントであることを再確認できる一冊です。現代は医療の発達によりこのことが忘れがちですが、心の片隅にでも置いておくべきことだと思いました。身体的・精神的負担が大きい産科医療の現場は今度どうなっていくのでしょうか。少し前に女子手帳的なものを作成するか否かで話題になっていましたが、高齢出産が危険なことなど基礎的なことは学校等で教えておくべきことだと思います。2013/06/02

mawaji

2
非常にニュートラルな立場で産科医療の現場が描かれており、医療崩壊を招いた原因や、先が見えないながらも今後の善後策に関する提言などまとめ上げた良書と思います。現状を把握し、お互いの言い分をよく聴くことが大切だなぁと今更ながらに感じました。2010/07/02

issy

2
医師や助産師、妊婦への聞き取り、様々な事故・訴訟事例、法律・制度の歪み等の分析を通して、産科医療現場の問題点の数々を明らかにする良書。自分(相方)が無事に出産できたことに今更ながら感謝したい。改善にはやはり政治の力も必要だが、患者(利用者)自身にも意識・知識の向上努力など出来ることがある、という指摘は頭に入れておきたい。2010/02/20

Humbaba

2
訴訟リスクが高い上に,労働時間が長く,しかしそれは給料に反映されない.だからこそ産科の道を志す人間が少なくなる.そしてそれは更なる著時間労働を引き起こす.それだけでなく,助産師たちとの連携もうまくいっているわけではない.2009/12/27

teddyagogo55

1
面白かったけれど、2009年に出版されている本なのでちょっと情報が古くなってきてるところもありました。産科医療現場の人達がどれだけ大変な状況で多くの命の誕生を支えてくれているのかよく分かる本でした。書き方が過激な印象もあるけれど、出産する側の不安や疑問に社会がまだまだ応えて変わっていくべきことが多くあるんだなと思いました。2017/09/06

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