内容説明
マクロ経済学は、経済の大きさ、変化の方向を理解するため欠かせません。本書は、「GDPって何?」「経済政策はどのように影響する?」といった素朴な疑問に答え、マクロ経済学の基本を、ていねいに解説します。経済の動きを知っていないと仕事で困る人、株式や外貨など金融取引に関心のある人、教養課程や経済学部でマクロ経済学の基礎的知識を短期間で頭にたたき込みたい人にお勧めです。現実感覚に満ちたロングセラーの全面改訂版です。
目次
1 マクロ経済学とはなんだろうか
2 GDPを理解する
3 消費や投資などの決まり方(財市場の分析1)
4 所得水準の決まり方(財市場の分析2)
5 利子率の決まり方(貨幣市場の分析)
6 IS‐LM分析(所得と利子率の同時決定)
7 所得と物価水準の決まり方
8 インフレとデフレ
9 より進んだ消費と投資の理論
著者等紹介
中谷巌[ナカタニイワオ]
1942年大阪に生まれる。65年一橋大学経済学部卒業。69年ハーバード大学大学院留学。73年ハーバード大学博士(Ph.D)。73年ハーバード大学経済学部講師兼研究員(~74年)大阪大学経済学部教授、一橋大学商学部教授を経て、現在、三菱UFJリサーチ&コンサルティング理事長、多摩大学学長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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k5
65
すっかり日経文庫のいいお客さんな私。この本はだいぶ前から読んでいたのですが、数式多いのが辛くてしばらく放り出していました。自分は、ザ・人文科学な人間なのですが、コロナの今年、小説家や学者が世界を救うのにまったく役に立たないばかりか、一部の人は遠くから石を投げるような発言ばっかりしているのに絶望して、意識して経済の本を読んでおります。読むと自分の数学的センスのなさに絶望するのですが。2020/12/05
saga
30
マクロ経済をざっくり知るのに役立った。まずは利子率や政府支出などを一定と仮定した特別な状態で、理論を単純化して説明し、その後、実際の不確定要素がそれに加味された場合の理論を解説していくことで、経済初心者(自分)にも判りやすい。この世の中の事象は、様々な変数(変動要因)が関連する複雑系であり、自然と人間の活動の結果となる経済を正しく表現する理論がないことも納得だ。2019/12/04
ゆにこ
10
投資もやってることだし勉強し直そうと息子から借りる。学生の頃マクロが苦手でなんとか単位を貰えた記憶が蘇る。最新の情報が知りたいのでまた別の本を読もう。2021/02/16
ふろんた
9
基本からやり直す。2015/12/11
OjohmbonX
4
本当に「〇〇学入門」の名にふさわしい書物で感動する。世の中には著者が好き勝手に放言するだけで「学」の名に値しない本や、理論体系の全体像や前提の意味、適用可能域の示し方が不十分で「入門」になり得ていない本も多い。著者は「どの経済理論にも限界がある(現実そのものを完全に写し取り得た経済理論はない)」「経済学者は限界を認識しつつ控えめに主張すべき」「強めに・断定的に主張しないと事態は進展しないが、議論の相手の主張のバックグラウンドは理解しつつすべし」といった認識で、専門家として非常に誠実だと感じる。2023/02/15