内容説明
神の普遍的ありかたを意味するカトリシスムは、ローマ・カトリック教会の立場だけに関わることではない。古代ローマから、第二バチカン教会会議を経た二〇〇〇年におよぶキリスト教の歴史をとおして、カトリシスムについて解説する。キリスト教の本格的理解へとみちびく入門書。
目次
第1章 ローマ世界におけるキリスト教
第2章 「キリスト教的秩序」の困難な伝達
第3章 オキシデントのキリスト教世界
第4章 宗教改革期から啓蒙期にかけてのカトリシスム
第5章 諸革命と「キリスト教世界への回帰」
第6章 第二バチカン教会会議の教会
著者等紹介
加藤隆[カトウタカシ]
1957年生まれ。ストラスブール大学プロテスタント神学部博士課程修了(神学博士)。千葉大学文学部国際言語文化学科教授。神学・新約聖書学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mashi
1
本書では特に触れられてないけどEUとカトリックの関係には興味があるな。EUにおける欧州統合の理念と、カトリックが歴史的に内包していた汎キリスト主義/ローマ主義的な統一の理念には連続性があるんでしょうか。システム的には明確な境界が引かれてるんだろうけど。2017/05/22
Akiro OUED
0
キリスト教2000年の歴史とは、ローマ帝国に始まる国家権力との位置のトレースと読めた。同様に、イスラム教を国教とするアラブ諸国の歴史的立場をカトリックのカノッサ時代と位置付けることは可能だろうか。2018/11/14