内容説明
李白や杜甫から、夏目漱石や河上肇まで、古今の名詩を春夏秋冬に沿って紹介、背景の歴史や詩人の境遇などを盛り込んで、歯切れのよいエッセイで導くシリーズ第一弾。戦乱、憂国、左遷、放浪、愛別離苦…人生のそれぞれの局面で、限りなく心にしみる、くめども尽きぬ漢詩の魅力。入門者にも、再読者にも、絶好のアンソロジー。全四冊。
目次
新春―真山民
雪と豊年―査慎行
欣欣向栄―陶淵明
春雪―王安石
斜川に游ぶ―陶淵明
落梅―陸游
人日―薛道衡
梅の花―王安石
抵抗の詩―文天祥
藍関の雪―韓愈〔ほか〕
著者等紹介
一海知義[イッカイトモヨシ]
1929年、奈良市生まれ。中国文学者。旧制高校理科から京都大学文学部中国文学科に進学、高橋和巳らとともに吉川幸次郎に師事した。神戸大学教授、神戸学院大学教授を歴任し、現在、神戸大学名誉教授。著書は、河上肇の漢詩に初めて光を当てた一連の河上肇論、また随筆や、『論語』の新しい読み方を提示した講義録等と幅広い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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千@朝と夜
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解説が丁寧。色んな作者の漢詩が読める。とても楽しませていただきました。春夏秋冬全部読みたいなぁ……。2014/07/18
y42sora
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内容説明や、その背景なども書いてあるので解りやすい2008/10/30
DEN2RO
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春は季節の移り行きも速やかで鮮やかなので、漢詩作品もそれを反映して多彩で時に劇的です。冬に読むのもどうかと思いますが、それらを順に読み続けるのは「古今集」以来の日本的感性であり、春が待ち遠しくなります。中国の作品のほかに日本漢詩も紹介されています。2022/01/04
bittersweet symphony
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一海知義(1929-)さんによる日本風に春夏秋冬による巻分けをおこなった漢詩アンソロジー。孟郊(751-814)・岑参(715-770)の科挙落第を嘆く詩を、勉励を煽るような詩で漢詩の門戸を狭めていることへの批判を込めて紹介していたり、折に触れて遭遇して個人的に気になっていた井伏鱒二(1989-1993)のナンチャッテ口語訳がとりあげられていたり、「源氏」の中国語訳なども行った銭稲孫による万葉集歌の漢詩訳版がでていたり。2009/01/31
ダージリン
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一日一首というだけあり、様々な漢詩を取り上げており楽しめる。漢詩の素養がない人間には実に有り難い。「サヨナラダケガ人生ダ」、というフレーズは聞いたことがあったが、井伏鱒二が漢詩を訳したものだったとのこと。人生別離足る、を見事に訳したものである。2018/10/08