平凡社ライブラリー
ファニー・ヒル―快楽の女の回想

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  • サイズ 文庫判/ページ数 341p/高さ 17cm
  • 商品コード 9784582767537
  • NDC分類 933
  • Cコード C0397

内容説明

田舎から都会に出たよるべない美少女が、すぐに娼館にからめとられ、それからは疾風怒涛、レズビアン、処女喪失、覗き、強姦、フェティシズム、肛門性交、口唇愛、サド・マゾ、男のホモセクシュアル…経験し目撃したありとあらゆるセックスを、微に入り細を穿ち、描写する。十八世紀イギリスが生んだ性愛文学の世界的傑作、そそる新訳。

著者等紹介

クリーランド,ジョン[クリーランド,ジョン][Cleland,John]
1710‐89。18世紀イギリスのジャーナリスト、作家。小説のほかに、ロマンスの集成、戯曲、詩、また医学論文、言語研究、フランス、イタリアの作品の翻訳にも手を染め、痛評をはじめたくさんの雑誌原稿を書いた

小林章夫[コバヤシアキオ]
1949年、東京生まれ。上智大学大学院文学研究科修了。現在、上智大学文学部英文学科教授。文学博士。18世紀イギリス文学を中心に、近代イギリス文学・文化を研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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パトラッシュ

45
キリスト教倫理に縛られた時代への叛逆として誕生した経緯から、性愛文学は国や時代の寛容度を測る目安だ。抑制が厳しいほど大した内容でなくとも検閲や発禁騒ぎとなって歴史に残り、取り締まりが緩和されるとショッキングでも話題にならない。内容的にも「愛はすべてを克服する」で終わるなどサドやロレンスに比べ穏健で、現代に初めて刊行されたなら数あるポルノ小説の一冊として忘れ去られるだろう。ただ18世紀英国で性の犠牲者としてではなく進んで快楽を求める女が描かれたのが、自立した女性を求める文学的潮流に合致したのではなかろうか。2021/04/09

HANA

41
イギリス官能小説の古典。フェティシズムから乱交、レズにホモ、サドマドまで様々なプレイスタイルが記されているが、当時刺激的だったであろうこのようなスタイルも現代日本ではどうもよく耳にする話で刺激に欠ける。当時が偽善だったのか、現代があけすけすぎるのか…。文章も持って回った言い方で冗長。どうもくどすぎて劣情を催すどころではなかった。行為に直接触れないのが当時の文章なのかな。やはり古典は古典で現代の目から見ると違和感があるな、というのが正直な感想。当時のイギリス風俗のあれこれを知るのには役に立ちそうな気がする。2013/12/07

viola

6
イギリス文学の古典だし、いつかは読まなきゃと思っていました。小林章夫氏の新訳とのことで、ようやく読了。性愛小説とは言え、必要以上に騒ぎ立てられているだけだろう、チャタレーくらいなものだろうと思っていましたが、とんでもない。何百年も前に何故出版出来たのだろうというくらい過激な描写。うげー、気持ち悪いー!もうそれしか描いてないですもん。どのあたりがいいのかさっぱり分からず。2012/03/24

そらいろ

1
【図書館】都会に出てきた少女が娼婦となり知る愛と官能。男女の性愛のみならず、同性愛やSM、フェチズム、障害者の性なども。多くの国で訳され、日本でも訳者を変え出版されているのでどれ程かと思ったのですが…。解説によると表現が評価されているそうですが、確かに翻訳文にその片鱗は感じても、主人公が知的にも魅力的にも描かれていないのでただ上品ぶった印象しかありません。心理描写の少なさや時代、国柄を考えても、読み終わって結局何も残らない小説でしたが、高評だという吉田健一訳を読んでみたら、別の何かを思うのかもしれません。2012/07/22

ちあきほ

1
愛と快楽が等しいとは限らず、だからこそ愛と等しい時が至極である、のかもしれない2012/07/01

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